分散型オラクルのChainlinkのセルゲイ・ナザロフCEOとトークン化標準を策定するInterwork Allianceのロン・レズニック代表は、企業のスマートコントラクトとブロックチェーンの採用が加速していると楽観的な見解を示した。ビットコインとブロックチェーンニュースメディアのCointelegraphが7月9日、伝えている。
ブロックチェーンフォーラム「Unitize2020」で両者が語ったところによると、企業による新技術の採用時期がすぐにも到来しようとしている。2020年がターニングポイントになるかは不明確としているが、ナザロフ氏は数年前と比較して、最初の技術リーダーの動きを待つ「ファストフォロワー」が確実に増えていると語った。
レズニック氏は、企業採用に向けて規制と監査に関連する2つのハードルを指摘した。1つは規制の不確実性、この問題は多くの企業を静観させている。もう一つは、膨大な監査コストと、旧態依然とした企業に根強い紙の文書管理体制にある。こうした企業がブロックチェーンを採用しても、充分に恩恵を受けるとは言い難い。
データ管理に新たな手段を検討する企業は少なくないという。ナザロフ氏によると、企業によるデータ共有インフラのニーズは高まっているが、必ずしも単一のブロックチェーンがマッチする訳ではない。企業が好むコンプライアンスに準拠したプライベート・ノードが管理するタイプと、個人が支持する分権型でセキュリティに注力したパブリックタイプ、この2つのニーズに対応するようにシフトしていくようになると加えた。
オラクルは、スマートコントラクトにオフチェーン、つまり現実世界の情報を組み込むためのシステム。チェーン上のトランザクション処理するために業務システムをオラクルに接続することも可能だ。企業のブロックチェーンの採用が進めば、Chainlinkの重要性はさらに高まると注目されている。
【参照記事】Sergey Nazarov: Smart Contract Adoption by Enterprises About to Take Off
高橋奈夕
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