EBA、EU圏における仮想通貨のリスクを取りまとめた報告書を公表

EU加盟国の金融当局と連携しながら域内の金融機関を監督するEBA(欧州銀行監督機構)は1月9日、現行法における仮想通貨の定義や現段階で仮想通貨がEUに影響を及ぼす可能性がリスクを取りまとめた「Report with advice for the European Commission」を公表した。

EBAは2013年12月から、仮想通貨はリスクに注意しながら投資をする必要があるという注意喚起をしており、2014年7月および2016年8月にはクレジット、送金、電子マネーを扱う各社に仮想通貨の売買をしないよう推奨をしてきた。2018年2月には、仮想通貨の購入や保有に関するリスクについて、EUの規制当局と共同で警告を出すなど、仮想通貨に対して慎重な姿勢を見せていた。

仮想通貨は、銀行などの第三者機関を介さずに個人同士で相対取引が可能な特徴をもつことから、マネーロンダリングやテロ資金供与などの観点で問題が指摘されている。また、EUでは仮想通貨に関する法整備が進んでいないことや利用者保護も進んでいないこと、EU各国がそれぞれ異なる対応を取り始める動きを見せていることなどから、さまざまな問題を引き起こす可能性があるとレポートでは述べられている。

EBAは本報告書で、①現行の法律であるEMD2およびPSD2の仮想通貨への適用の妥当性、EBAがかねて意見を述べていたカストディサービスと仮想通貨取引プラットフォームに関する問題、②マネーロンダリングやテロ資金供与のリスクを低減するためにFATF(金融活動作業部会)が採択した勧告、③クレジット会社や投資会社などの機関、送金業者や電子マネー企業などが規制や監督で影響を受ける範囲について、述べている。

報告書では、仮想通貨は現行のEUの金融サービス法の適用外となっており、EUの規制スキームの対象となっていないと結論付けられている。一方で、消費者保護に関する問題や各国で異なる規制が不公平な状況を作り出す懸念など、さまざまな観点でさらなる分析が必要となるとしている。こうした理由から、EBAはEUに対して、EU全域を対象とした整備の促進が適切で実行可能かを総合的に分析するよう勧告も行った。

EBAでは、引き続き権限の範囲内でさらなる措置の必要性を検討し続け、仮想通貨領域で起こりうる問題を分析し、支援を行っていくとしている。

【参照URL】Report with advice for the European Commission


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