調査対象企業の39%がブロックチェーンを導入、ユースケースはより明確に。デロイト、年次レポートで報告

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大手会計事務所デロイト・コンサルティング(Deloitte Consulting)がまとめた年次レポート「Global Blockchain Survey」によると、ブロックチェーンを取り入れている企業の割合が、前年比でおよそ2倍に増加している。米ブロックチェーンニュースメディアDecryptが6月17日、伝えている。

2020年2月6日から3月3日かけてデロイトが実施した調査には、14の国と地域の1,488人のシニアエグゼクティブと実務家が回答した。デロイトによると、少なくともブロックチェーン、デジタル資産、分散型台帳技術(DLT)に知見を有し、所属組織のブロックチェーンやデジタル資産投資部門について精通している人々の回答が集められた。調査結果の多様性を持たせるために、直接的にブロックチェーン技術開発プロジェクトに従事し、過去1年間に最低300万米ドルの資金調達を行った100人が含まれる。

レポートによると、回答企業の39%がすでにブロックチェン技術を業務に統合しており、昨年の23%から大幅に増加した。約半数(55%)の企業が戦略的優先事項の上位5つにブロックチェーンを含めた。回答企業の82%がブロックチェーンの専門知識を持つスタッフを既に雇っているか今後12ヶ月以内の採用を計画している。

国によって、ブロックチェーン採用率の不一致も浮き彫りとなった。米国でブロックチェーンを生産段階に移行している企業は回答者の31%。一方で、中国(59%)、アジア太平洋地域(53%)、アイルランド(48%)、UAE(43%)は米国を先行している。TMT(テクノロジー・メディア・通信)、金融サービス、小売、卸売、ロジスティクス、流通産業でブロックチェーンの導入が進展している。

回答者の多くは、ブロックチェーンの将来性と革新性を認めている。全体の88%が「広範に拡張可能で、最終的に大規模な採用を達成する」と回答した。同86%が「ブロックチェーンの利用に説得力のあるビジネスケースがある」とし、同83%が「採用しない場合、競争上の優位性を失う」と危機感を示している。一方で「ブロックチェーンが過大評価されている」とする回答者は2018年(39%)、2019年(43%)、2020年(54%)と増え続けている。

また、中国の回答者の94%は「デジタル資産が代替通貨になるか、法定資産に置き換わる」としており、デジタル資産の将来の受容性に対する強い信念が示された。デロイトの調査対象者全体で見ると83%が「5~10年後に法定通貨がデジタル資産に置き換わると、“ある程度か、強く”考えている」と回答している。しかし、前述のブロックチェーンに比べると、デジタル資産は依然として明確なユースケースが示されていないため、予断を許さない状況だ。

【参照記事】Deloitte 2020 survey shows ‘substantial jump in blockchain adoption’

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HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム

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