国税庁は11月21日、「仮想通貨に関する税務上の取り扱いについてのFAQ」を公表した。併せて、納税者が年間取引報告書の内容などに基づき入力することにより、申告に必要な所得金額などが自動計算される「仮想通貨の計算書」が公開されている。
国税庁では、仮想通貨に関する納税環境の整備を目的とした「仮想通貨取引等に係る申告等の環境整備に関する研究会」を、6回にわたり開催してきた。納税義務者が確定申告を行う場合、まず仮想通貨取引所から取引情報を取得しユーザー自身で取引の計算を行う必要があった。また、相続が発生した場合も、相続人は残高証明書の交付を以来した後に税務署に相続税の申告書を提出する必要があるなど、複雑な税務が話題となっている。
今回公表された資料では、こうした複雑な税務に回答するかたちで、仮想通貨の取引を行った際に必要となる確定申告の流れや、仮想通貨残高に係る相続税申告の手続きの流れなど、仮想通貨に関する税務の取り扱いについて取り上げられている。また、売買によって発生した所得の計算以外に、仮想通貨のハードフォークによって付与される親通貨取得時の計算方法やマイニングなどによってデジタル通貨を入手した場合の取り扱いについて説明がされている。
仮想通貨への投資は、1000円などの少額でも始められる手軽さから、投資経験者はもちろん確定申告の経験のない投資未経験者まで、若年層を中心に人気を博していた。2017年には10万円程度であったビットコインは、2018年までに20倍以上の価格をつけたこともあり、少額の投資をしていた投資家でも確定申告の対象となる可能性も考えられる。仮想通貨投資をしている方で自身で確定申告を進めるという方は、今回発表された資料をもとに申告を進めると良いだろう。
【参照サイト】「仮想通貨関係FAQ」の公表について
【参照サイト】年間取引報告書を活用した仮想通貨取引に係る申告手続の簡便化(イメージ)
【参照サイト】残高証明書等を活用した仮想通貨残高に係る相続税申告手続の簡便化(イメージ)
【参照サイト】仮想通貨に関する税務上の取り扱いについて(FAQ)
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HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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