財務省はこのほど、新しい経済取引の普及や多様化した働き方に対応した納税の仕組みに関する検討会「納税環境整備に関する専門家会合」を開催した。10月24日には「第1回 納税環境整備に関する専門家会合」、10月29日には「第2回 納税環境整備に関する専門家会合」が開催され、仮想通貨取引情報の透明性向上に向けた話し合いが行われた。
金融庁から認定を受けた自主規制団体である日本暗号資産取引業協会(JVCEA)は、1回目の会合内で、仮想通貨の納税申告に関する環境整備に関する方針を公表した。具体的には、2018年度分の確定申告について国税庁から納税者に対して「仮想通貨の計算書」が提供され、仮想通貨交換業者各社は「仮想通貨の計算書」の作成をサポートする「年間報告書」の提供を行うことが示された。第2回目の会合では、納税義務のある仮想通貨取引ユーザーが仮想通貨取引所から情報入手から納税までの流れを図式化して説明している。
仮想通貨の納税についてはこれまで、納税者が把握している取引情報と仮想通貨交換業者の管理する取引情報、財務当局の監視可能な取引情報には偏りがあった。財務当局は、適正な申告を行っていない納税者がいることを懸念しており、適切な申告を行う納税者との間で公正さを確保するためにも、適正な申告を行うための環境整備の必要性が議論されていた。過去には仮想通貨交換業者の情報開示不足や口座と個人の紐付けがうまく機能していなかったという問題もある。仮想通貨が普及していくためにも、煩雑な納税を簡略化し適正な納税を支援するシステムの実現が必要不可欠だ。今後の動向に期待したい。
【参照記事】仮想通貨の意義及び 当協会自主規制規則に関して
【参照記事】第2回 納税実務等を巡る近年の環境変化への対応について
HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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