米コカ・コーラ、30年までに25%以上を再利用可能容器へ転換

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米飲料大手のコカ・コーラ(ティッカーシンボル:KO)は2月11日、2030年までに全飲料ブランドの25%以上を再利用可能な容器へ転換する目標を発表した(*1)。再充填・返却可能なガラス製もしくはプラスチック製容器へ切り替えるほか、従来のファウンテンや次世代型ファウンテンディスペンサーであるコカ・コーラ・フリースタイルによる再充填可能な容器での販売を進める。

コカ・コーラは現在、返却可能なガラス製容器と再充填可能なPETボトルが、20市場以上で同社製品の売上高の50%以上を占め、さらに他の20市場では25%以上を占めているという。また20年時点の数量ベースでは、再充填・返却可能な容器が会社全体の約16%を占めている。

再充填可能な容器は回収率が高く、カーボンフットプリント(#1)の少ない容器であるため、今回新たに掲げた目標の達成に向けて再利用可能なパッケージの使用を増やすことにより、サーキュラーエコノミー(循環経済)の推進を図る方針だ。

エレイン・バウワーズ・コベントリー最高顧客・商業責任者(Chief Customer & Commercial Officer)は、「われわれは常に消費者を中心としてきており、それを実践する方法のひとつがサステナブルなパッケージの提供である」と述べた(*2)。この取り組みは、同社の環境イニシアティブである「World Without Waste(廃棄物ゼロ社会)」において、30年までにボトルを1本販売するごとに1本回収するという目標の達成にもつながるという。

近年、コカ・コーラは世界各国の市場で再充填可能なパッケージの利用に注力している状況だ。たとえば、ブラジルのコカ・コーラが18年に導入した同一の色・形・サイズの再利用可能な容器「ユニバーサルボトル」の利用は、現在ではチリ、コロンビア、メキシコ、グアテマラ、パナマにも広がっている。一方、30年までに全飲料ブランドの25%以上を再利用可能な容器に切り替える目標を達成するためには、再充填・返却可能なインフラが限られている市場を中心に多額の投資も必要になると指摘する。

サーキュラーエコノミーを推進するエレン・マッカーサー財団によると、プラスチック製パッケージの20%を再利用可能なものに転換するだけで、100億ドル(約1兆1,000億円)のビジネス機会をもたらすとともに、プラスチックごみを削減する大きな要因になるという(*2)。

世界各国で事業を展開するコカ・コーラが、サステナブルな容器の提供を強化することにより、グローバルベースでサーキュラーエコノミーを推進していくことに期待したい。

(#1)カーボンフットプリント…商品・サービスのライフサイクルの各過程で排出された温室効果ガスの量を追跡し、得られた全体の量を二酸化炭素(CO2)量に換算して表示すること。

【参照記事】*1 コカ・コーラ「The Coca-Cola Company Announces Industry-Leading Target for Reusable Packaging
【参照記事】*2 エレン・マッカーサー財団「Reuse – rethinking packaging
【関連記事】IDEAS FOR GOOD「エレン・マッカーサー財団

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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