日本経済新聞は3月2日、今年10月の消費税引き上げ時に実施するキャッシュレス決済へのポイント還元制度の詳細について報じている。消費の腰折れを防ぐために優遇対象を広げるが、過度な利用を防ぐために決済額や利用店舗などには上限が設けられる予定だ。
日本経済新聞によると、ポイント還元策では、クレジットカードや電子マネー、QRコードなどで商品やサービスの代金を決済した場合、中小企業の店舗なら買い物額の5%分のポイントが還元されることが報じられている。ポイントの原資は政府が決済事業者に対して費用を補助するとしている。また、政府は値引きについても優遇対象となることを決めた。
共同通信によれば、ポイント還元対象となる企業については、これまでは資本金5,000万円以下の中小企業を想定していたところを、売上高が年500億円を上回る事業者と規定しており、今後も追加の判断基準を設けることが報じられている。
大企業も実質ポイント還元対象となるポイント還元策は、諸外国と比較してキャッシュレス普及が遅れている日本にとって急務の課題に対する動きだ。キャッシュレス決済の端末導入費用や手数料は小売店にとって負担になることから、キャッシュレス決済をあえて導入しない店舗も少なくない。日本では諸外国よりも現金志向が強いこともあるが、最近ではQUICPayやApple Payなどの電子マネー決済やQRコード決済の普及も進み始めている。
キャッシュレス決済が仮想通貨に与える影響は未知数だが、親和性の高い分野であることには違いない。しかし、仮想通貨はいまだ投機対象として考えられることも多く、仮想通貨が決済手段と認識されるためにはまだ課題も多い。
【参照記事】増税時のキャッシュレス還元策、値引きも優遇対象に
【参照記事】年商500億円超は除外へ ポイント還元の対象事業者
立花 佑
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