個人投資家の約8割が「カーボンニュートラル」を認知、電通が生活者1400名に調査

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株式会社電通は10月25日、「カーボンニュートラルに関する生活者調査」の結果を発表した。調査は、電通グループ横断でサステナビリティに関するプロジェクトを推進する「サステナビリティ推進オフィス」と「電通Team SDGs」を調査主体に、全国10~70代の男女計1400名を対象に、今年7月22、23日に実施した。21年6月発表の第1回調査より継続的に実施しており、今回が8回目。一般1400名の対象者に200名の個人投資家を加え、カーボンニュートラル実現に向けて取り組む企業の株式への投資状況・意向についても追加調査している。

個人投資家層でのカーボンニュートラルの認知は77.8%で、一般全体の63.6%よりも14.2pt高い結果だった。同層のうち、カーボンニュートラル実現に向けて取り組む企業への投資を「既に行っている」人は約半数で、「現在は行っていないが、今後投資をしたいと思っている」人を含めると6割を超えた。

個人投資家の投資意向が高いのは、カーボンニュートラルに貢献する事業・技術のうち「次世代蓄電池・次世代モーターの開発」「次世代型太陽光電池の開発」に関連する企業となった。

カーボンニュートラル実現のための取り組み状況の積極性は、世界と比べて日本は遅れていると評価されているが、その差分は、個人投資家層の方が一般全体よりも小さいという結果だった。一般全体より10pt以上の差が見られたのは「水素サプライチェーンの構築・燃料アンモニアの活用」「船舶の脱炭素化推進」「都市・次世代電力マネジメント変革」といった項目だ。

今年6月の「電力需給逼迫による節電要請」と「今冬の電力逼迫の懸念」の認知は、いずれも約6割。節電のための“我慢”として受け入れられるのは「商業施設・公共施設などの照明」が75.7%で、許容度が高い。一方、日本のGDP減少や自社の売り上げ減少など、直接的な経済面への影響に関しては許容度が低いという結果だった。

「ウクライナ情勢などによるエネルギー資源の価格高騰」の認知は72.8%で、今年4月に実施した前回調査から2.3pt減少した。ガソリンなどを含む全ての調査費目で、第7回調査より価格許容度が低下傾向となる一方、「日頃から国際情勢を気にしている」層は増加した。

一般全体のカーボンニュートラルの認知は63.6%で前回調査から4.3pt増となり、第1回調査から連続して上昇を続けている。「カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みの必要性」を感じているのは、前回調査からほぼ横ばいの76.8%となった。

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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