ブリヂストンは、8月24日から31日にかけてオーストラリアで開催される「2025ブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジ(BWSC)」に、リサイクル・再生可能素材を65%以上使用したENLITEN(エンライトン)技術タイヤを提供すると発表した。TheCSRUniverse.comが6月8日付けで報じている。同タイヤには、パートナー企業との協業で開発した新たなリサイクル素材が初めて採用される。
BWCSは、太陽光発電のみで約3,000キロメートルを走破する隔年開催の国際レースで、ダーウィンからアデレードまでの過酷な環境下で技術の限界に挑戦する。2025年大会では、チャレンジャー、クルーザー、エクスプローラーの3クラスに参加する17地域33チームにタイヤを供給する。
今回の最大の特徴は、使用済みタイヤから回収したカーボンブラックと再生スチールの採用だ。回収カーボンブラックは、ENEOSとの共同開発により東京都小平市の試験設備で製造。再生スチールは、日本製鉄および山陽特殊製鋼との協業により、廃タイヤから回収したビードワイヤ(タイヤの補強材)を再利用している。さらに、帝人アラミドが開発した循環型アラミド繊維「Twaron®」も使用し、低転がり抵抗、高耐久性、軽量化、耐パンク性能を実現した。
物流面でも環境配慮を徹底し、DHLの「GoGreen Plus」ソリューションを活用。持続可能な海上燃料を使用することで、輸送時のCO2排出量を最大85%削減する。ブリヂストン・モータースポーツ担当の堀尾直孝ディレクターは「BWSCは単なるレースではなく、先端技術を実環境で試験する移動実験室。学生チームと共に挑戦することで、持続可能なモビリティのイノベーションを加速させている」と述べた。
ブリヂストンは2013年からBWSCのタイトルスポンサーを務めており、今回の取り組みは同社の「Bridgestone E8 Commitment」におけるエネルギー、エコロジー、エモーションを具現化するもので、カーボンニュートラルと持続可能なモビリティ実現への具体的なアクションとして位置づけられる。
【参照記事】Bridgestone to Supply Recycled ENLITEN Tires for 2025 World Solar Challenge
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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