世界で広がるゼロウェイスト認証、ブラジルで新たに6社が取得

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ブラジルで2025年上半期、製造業や小売業など異なる業種の6社が新たにゼロウェイスト認証を取得した。同国では現在27施設が認証を受けており、中南米地域におけるサーキュラーエコノミー推進の中心地として存在感を高めている。国際的な認証機関Global Zero Wasteと現地パートナーZEROSの連携により、企業の廃棄物削減と資源循環の取り組みが加速している。

今回認証を取得したのは、アミノ酸製造のCJ Brazil、海洋サービスのDOF(Norskan Offshore)、小売チェーンのBIG BOX、潤滑油大手のPETRONAS Lubricants International、風力発電部品のWindar Brazil、包装・物流のGlobokraftの6社。このうち4社が最高ランクのゴールド認証を獲得した。特に注目されるのは、石油・ガス業界向けに海上支援サービスを提供するDOFが、船舶上でゼロウェイスト実践を成功させた点だ。従来は廃棄物管理が困難とされていた海上でも、循環型の資源管理が可能であることを実証した。

ゼロウェイスト認証は、企業が廃棄物の90%以上を埋め立てや焼却処分から転換し、リサイクルや再利用などの方法で資源として活用することを求める国際基準だ。日本でも環境省が2030年までに廃棄物の最終処分量を2000年度比で約70%削減する目標を掲げており、企業の取り組みが加速している。経済産業省によると、国内のサーキュラーエコノミー関連市場は2030年に約80兆円規模に達すると予測されている。

ブラジルでは2025年1月から、Global Zero WasteとZEROSの戦略的提携により、現地の実情に合わせた認証プログラムが本格化した。すでに21社以上が加盟し、製造業から小売業まで幅広い業種で廃棄物削減の取り組みが広がっている。中南米地域では、チリやコロンビアでも同様の動きが見られ、地域全体でサーキュラーエコノミーへの移行が進んでいる。世界的な資源制約や気候変動への対応が求められる中、企業の競争力向上と環境負荷削減を両立させるゼロウェイスト認証は、今後さらに重要性を増すとみられる。

【参照記事】Brazil moves steadily towards sustainability: 6 new organizations certified in Zero Waste

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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