7月に約30億円相当の仮想通貨の不正流出事件を起こした仮想通貨交換業者ビットポイントジャパンは、サービスを停止した7月12日10時30分以降に成約した仮想通貨現物取引とレバレッジ取引の注文分を、9月12日に金銭で返金すると発表した。
返金の対象は現物取引とレバレッジ取引の注文で、サービス再開時点における弊社の提示レートの仲値を基準に、顧客にとって不利な価格で成約処理がされた注文、またロスカットによる制約も含め、サービス再開時の価格と成約価格との差額を返金される。また、店頭仮想通貨証拠金取引サービスにおける建玉管理料とスワップ料、総合口座での預かり金、レバレッジ証拠金現金、MT4証拠金現金なども顧客の振込先に返金される。
同社は、不正流出の原因追求、被害拡大防止策及びリカバリー対策の実施、再発防止策の検討・実施に取り組み、段階的に各種サービスを再開している。法定通貨の入出金サービス、レバレッジ取引とMT4取引、現物取引サービスは既に8月に再開されている。仮想通貨の送付・預け入れは9月以降になる予定だが、新規口座開設申し込みは未定となっている。
また同社はサービスをより安全に運営するためにパスワード機能の強化をするとして、顧客に対してパスワードの再設定を求めている。17日16時10分頃から設定可能で、24日16時10分頃までに再設定が完了されていないとログインができなくなるため注意が必要だ。
今回、ホットウォレットサーバーに感染したウイルスは、一般的なウイルス対策ソフトでは検知されず、高感度なウイルス対策ソフトでなければ検知されないバックドア型ウイルスだったという。なお、同事件においてシステム内から利用者の情報流出等の痕跡は確認されなかったという。顧客への返金とサービス再開が行われつつある中、今後、どれだけ信頼を回復できるかが焦点となる。
【参照記事】サービス停止に伴う返金・入金について
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立花 佑
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