ダリット・インド商工会議所(以下DICCI)が、農村部の若者を対象とした新しい仮想通貨マイニングトレーニングプログラムを発表した。世界初にして最大の仮想通貨マイニングトレーニングプログラムの目的は、貧困に苦しむ若者の救済だ。
インドでは、現在でもカースト制度が根付いている。「ダリット(不可触民)」と呼ばれるコミュニティに所属する人々は、生まれながらに極度の差別を受けており、豊かになれる選択肢がないことも多い。
DICCIの実施するビットコインマイニングプログラムは、仮想通貨関連プラットフォームのMahabficと、社会起業家であるTausif Malik博士のサポートを受けて、若者に仮想通貨やブロックチェーン技術、マイニング、起業家精神などを教育する。これにより、農業などに従事する若者が、自営業で収入を得られるような仕組みづくりを目指すという。
このプログラムの背景には、ビットコインをはじめとした仮想通貨のマイニングや、仮想通貨に関連する起業がアフリカの国で盛んになってきていることがある。これらの地域における仮想通貨の採用率が、フィンテックに関連した新たな事業を生み出し、雇用を増やすのだ。
DICCIの創業者であるShri Milind Kamble氏は、こう述べている。「最新のブロックチェーンテクノロジーは、技術開発の未来を担う存在となります。そんなブロックチェーンの機能に必要となるのが、仮想通貨のマイニングです。だから私たちは、全国的規模で若者にビットコインマイニングトレーニングプログラム(BMTP)を提供する必要性を感じたのです。」
カーストによる格差問題は、インドの比較的裕福な地域では改善されてきてはいるが、未だ人口の大半の人々がこの制度に苦しめられている。たとえばつい先日、グジャラート州で農業を営んでいたダリットが過激派の手によって殺害された。
現地警察によると、その犯行動機はカースト制度そのものに加え、農民にとって名誉の象徴である家畜を所有していた報復であったとも報告されている。10億人を超える人口を抱えるインドにおいて、仮想通貨などのデジタル資産こそが、ダリットに対する国民の認識を変え、平等の機会を与えるきっかけとなるかもしれない。
【参照サイト】This Bitcoin Mining Program Bids to Abolish Caste Discrimination in India
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