2022.12.16 マーケットレポート【ECB政策理事会を受けてユーロ円は2円の上昇】

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昨日のマーケットは株式市場が大幅反落。ECB、BOE、ノルウェー中銀、スイス中銀と欧州中央銀行政策金利発表デーとなったが、ECBとBOE、ノルウェー、スイス中銀共に予想通りの結果となったものの、コメントが異なったことによって、動きが変化する1日となった。

ECBでは予想通り0.5%の利上げとなり、利上げ幅は縮小したものの、ラガルド総裁のコメントでは2月、3月共に0.5%となる可能性やインフレが継続するまでは利上げを行っていく姿勢を強調し、マーケットが期待していたハト派的なスタンスは一掃されることとなった。ラガルド総裁のコメントを受けて、欧州株式市場は大幅続落しており、その流れが米国株式市場にも波及したような動きに。前日のパウエル議長のタカ派スタンスも意識されたのか、NYダウで2%超の下落、NASDAQは3%超の下落と、大きく下落する動きが見られた。

ドイツDAXやフランスCAC40も3%超の下落を見せており、総じて11月以降の上昇を吐き出す動きになりつつある。一方でBOEに関しては0.5%の利上げと予想通りとなったものの、BOEメンバー9人のうち、6人は0.5%の利上げに票を投じたものの、1人は0.75%の利上げ、2人は据え置きを主張したという結果となっており、今後の利上げスタンスが見通しにくくなっている。

米国債金利は低下しているが、引き続き2年金利の高止まり感は強い状況で、この金利の動きが短期的なポジション調整を含んだドル高に推移しているか。

ドル円は一時138円まで上昇しており、値動きの荒い動きが続いているが、年末に向けてよくある動きなのでそこまで驚きはないか。パウエル議長の発言を受けての動きになるため、短期的なポジション調整が終了した後は再度ドル売り方向で推移しやすいと考えている。

また10年金利と3ヶ月の金利差が逆イールドに陥っているのは以前紹介したが、2001年以来の拡大幅になっており、この後は3ヶ月から1年以内に景気後退が必ず過去起きていることは頭に入れておきたい。株価が底打ちするのは景気後退が起きてからという点も重要なポイントとなるだろう。利下げが実際に行われるのは早くても来年となるか。

仮想通貨市場は下落。株式市場が下落する中では連れ安の展開となった。

特段ニュースというものはなく、引き続きバイナンスやFTXの余波を年明けまで何かが出てくるのかで値動きも変わってくると思われるが、正直今のタイミングで株安に動き始めると仮想通貨は下落方向には反応しやすい地合いのため、下落しやすい環境か。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12