12月17日の夜、ついに仮想通貨のビットコインが米CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)に上場、先物取引が開始した。北米最大規模の金融デリバティブ取引所であるCMEへの上場は注目を集め、取引開始に向けてビットコインの価格は過去最高となる2万米ドルに向けて急上昇した。1月限は2万650ドルまで伸びたものの、現在は1万8336ドルに落ち着いている。
ビットコインは、1週間前にCMEのライバルグループであるCBOE(シカゴ・オプション取引所)で先物取引が始まったばかりだ。しかし、単一の取引所にもとづく価格を算出するCBOEに対してCMEの場合は4つの取引所でビットコインの価格を算出するため、取引量が大きく変わる。
もっとも取引が活発な時期の比較をすると、最初の1時間の取引回数はCMEは221回、CBOEは570回だ。一見CBOEのほうが取引が多いように見えるが、CME先物の最低取引単位は5ビットコインでCBOEが設定する1ビットコインな上、CME先物の価格はビットコインを2%上回るだけにとどまっているため、CBOEと比較してもより効率的な価格設定でより早いスタートを切ったといえる。
CME先物では価格変動を制限してトレーダーのリスクを軽減できるシステムを採用しており、価格が7%または13%下落した場合は取引を一時停止し、変動幅が20%を超えることはない。仮想通貨ファンドのソリダス・キャピタルでトレード責任者を務めるJose Miguel Nascimento氏はCMEでの先物取引についてブルームバーグの取材に対し「変動のあるビットコイン市場にとって、ビットコイン先物上場は非常に前向きな発展だ。」と述べている。
今回の上場によって、機関投資家の参入による取引の活発化が予想される。ウォール街まで浸透していくビットコインの今後に注目していきたい。
【参照サイト】Bitcoin Takes Bigger Wall Street Stage With Smooth CME Debut
【関連ページ】ビットコインとは?特徴・仕組み・購入方法(BTC)
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