ビットコインキャッシュのハードフォークが、日本時間5月16日に実施された。ブロックサイズの拡張を支持する開発者で構成されたコミュニティ「Bitcoin ABC」が4月に発表したように、今回のハードフォークでは、ブロックサイズを元の8MBから32MBにまで拡張している。
ビットコインキャッシュは、膨大な量のトランザクションの処理が必要な決済に備えて、ブロックサイズの拡大を目指していた。一方で、ビットコインキャッシュの分岐元であるビットコインはブロックサイズを小さく保つ代わりにSegwitやライトニングネットワークを導入して、ブロックサイズの大きさが制限された結果起きているスケーラビリティ問題の対処を進めている。
ビットコインキャッシュはサトシ・ナカモトのホワイトペーパーや発言をもとに、開発を進めている。2010年7月には、サトシ・ナカモトがビットコインではブロックサイズは制限されていないことを紹介していた。
それでもビットコインにブロックサイズが設定されたのはDOS攻撃対策が目的だと、BitcoinTalkフォーラムの管理者であるMichael Marquardt氏は語っている。DOS攻撃がされた際には、膨大な量のトランザクションを処理しきることができないノードも出てくる。より良いハードウェアの導入が可能な一部のノードが優勢になることで、ネットワークの中央集権化が進むという懸念もある。ブロックサイズの拡大はビットコインが抱えているスケーラビリティに対する解決策ではあったが、別の問題もはらんでいるのだ。
ビットコインでは無効化されていたOpコードが再有効化されスマートコントラクトの開発も可能となった今回のハードフォークだが、今後もアップデートや開発が進んでいく過程で突き当たるさまざまな課題に対し、ビットコインキャッシュはどのように対応していくのか。引き続き注目していきたい。
【参照サイト】May 15th Network Upgrade
【参照サイト】Get ready – Bitcoin Cash is upgrading on May 15th!
【参照サイト】Block size limit controversy
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