アクサIM、先進国・新興国の企業に対してジェンダー・ダイバーシティに関する議決権行使を拡大

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アクサ・インベストメント・マネージャーズ株式会社は7月8日、企業への影響力をグローバルに強化し、ガバナンス基準を改善するため、女性の活躍を支援する「ジェンダー・ダイバーシティ」に関する議決権行使を拡大する方針を発表した。同社が投資する世界中の企業への影響力を高め、ガバナンス基準を改善させる。2021年から先進国(北米、香港、ニュージーランド、シンガポール、欧州)の企業に対して取締役会における33%のダイバーシティ目標を導入する。また、新興国企業に対しても問題の提起を開始する。同社の定義では、伝統的に男性中心の取締役会構造となっている日本も、新興国に含まれている。

先進国の上場企業に対して取締役会の女性比率が3分の1日を下回っている場合、ジェンダー・ダイバーシティに欠けると見なし、問題提起を行う。加えて、今年から新興国や日本の上場企業に対し、取締役会に最低1人の女性(大きな取締役会なら10%)を含めるよう促す。

また、先進国と新興国のすべての企業に対し、役員会のジェンダー・ダイバーシティの方針とポリ目標を開示し、報告することを要求する。これらの目標に関して企業に説明責任を求めるとともに、企業が自ら定めた目標や市場のベストプラクティスを下回り続けている場合、エンゲージメントを通じて現状に関する説明と状況改善への対処方針を強く求めるとしている。

さらに、役員会のダイバーシティに関する適切な情報開示や対策を提示せず、課題改善への確かな計画を持っていない企業への対処として、株主総会で議決権を行使する可能性も示した。

同社の2019年のジェンダー・ダイバーシティに関するエンゲージメントは、企業階層のあらゆるレベルでジェンダーの平等へ積極的に取り組むよう企業に求めている。年次株主総会では「取締役会の全員が男性である先進国企業の決算報告と決算書類、あるいは担当取締役の承認」「英FTSEオールシェア指数の構成企業のうち、取締役会の女性比率が4分の1未満の企業の指名委員会委員長の選任」「取締役会の女性比率が20%未満の米国企業の指名委員会委員長、または担当取締役の選任」といった議案に反対票を投じ、配慮を改善させてきたとしている。

同社がジェンダー・ダイバーシティ関連議案で反対票を投じた企業数は2018年の45社から19年には245社に増加。20年1月から5月にかけては186回の会議で230の決議案に反対票を投じた。

【関連サイト】アクサ・インベストメント・マネージャーズ株式会社

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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