米ベンチャーキャピタルAndreessen Horowitz(a16z)は3月27日、ゼロ知識証明を用いた匿名エアドロップツールを発表した。
エアドロップとは、企業やプロジェクトなどが発行した独自の暗号資産を無償で配布するイベントを指す。エアドロップを行う企業の目的としては、プロジェクトや新規に発行するトークンの知名度を高めることが挙げられる。また、プロジェクトの貢献者や参加者への報酬とすることでプロジェクトを活性化させることも狙いの一つだ。プロジェクトによって様々ではあるが、エアドロップの参加条件としてはTwitterでのフォローやリツイート、DiscordやTelegraphのコミュニティへの参加などがある。
a16zは現在のエアドロップの課題について、参加者が自身の公開鍵を伝えることで、彼らの経済活動などの多くの不必要な情報を提供してしまっている点があるという。a16zは今回、そのような課題を解決するゼロ知識証明を活用した匿名エアドロップツールを発表した。ゼロ知識証明とは暗号学を利用して、自分の持っている機密情報を他人に教えることなく、機密情報を持っていることを証明する技術である。
このツールを利用することで、GitHubの貢献者やDiscordコミュニティの参加者、Twitterのフォロワーなどへ彼らの経済的なプライバシーを保護しながらエアドロップを行うことができるようになるという。一方で、プライバシー保護のための計算により多くのガス代がかかってしまうため、全てのケースで適用する必要はないとしている。全てのエアドロップ対象者の公開鍵をすでに知っている場合は、より単純な従来の方法で十分だという。
a16zは今回のツールについて「Web2.0により、人々は自由で便利なサービスのために自身の個人情報やプライバシーを差し出すことに慣れてしまった。Web3.0は代替方法を提供し、人々が自身の情報の開示をコントロールできるようになるだろう。このツールは最先端のエアドロップをWeb3.0のコア理念により近づける。」と説明している。ツールはオープンソースとなっており、Github上で確認することが可能だ。
【参照記事】Privacy-Protecting Crypto Airdrops with Zero Knowledge Proofs
株式会社techtec リサーチチーム
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