環境保護に寄与しつつ広告主とユーザーの関係を再構築するWeb3広告プロトコル「Everyworld」とは

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デジタル化が進む現代において、私たちユーザーがコンテンツに費やす時間は経済的な価値を持っています。このような考え方を「アテンション・エコノミー」といいますが、テレビCMやウェブ広告はまさにその最たる例です。企業はユーザーの一瞬の関心や注意を獲得するために、広告を制作し配信を行います。一方で、広告を見たユーザーは良い商品やサービスを知ることもできますが、ほとんどの場合において無駄な時間を過ごしていると感じています。

Everyworldは、アテンションエコノミーにおける広告主とユーザーの関係を再定義し、なおかつ環境保護にも注力することを目指しているWeb3プロジェクトです。

目次

  1. Everyworldとは
  2. Everyworldの登録方法
  3. 支援先の環境保護団体
  4. まとめ

Everyworldとは

Everyworldは、Web3の技術に裏付けされた広告プロトコルです。つまりユーザーは配信される広告を見ることによって、ポイント(将来的にはトークンになると思われる)を獲得できる仕組みを構築することを目指しているプロトコルです。そしてEveryworldの最もユニークな点は、それらの報酬の半分近くが環境保護団体に寄付されることになっていることです。また、2024年3月23日に資金調達の完了を発表しており、a16z Crypto、HASHED、Dragonfly、Coinbase Venturesなどがラウンドに参加しました。なお、Everyworldの開発会社は、メタバースへのアセットへの投資を行うEveryrealm社です。

ユーザーは広告を見たりタスクをこなしたりすることでポイントを獲得するのと同時に、システム内のプールにもポイントが蓄積されていきます。そして定期的に開催される抽選によって、それらのプールされたポイントを当選した1人のユーザーが獲得します。そして、同様にして同量のポイントが環境保護団体にも寄付されるのです。Everyworldは、このエコシステムサイクルを回すことによって、サスティナブルにアテンションエコノミーを発展させ、環境保護活動を支援していくのです。

このシステムの画期的な点は、ユーザーが「寄付」や「環境保護」を意識する必要がないことです。ReFiの分野において、活動を行う際にワンステップ必要であったり参入障壁が高く感じられることがしばしばあります。しかしEveryworldでは、ユーザーは何も追加のアクションを必要としないので、自分が実施したいことをプラットフォーム上で実行するだけです。

Everyworldの登録方法


それでは、Everyworldの利用の仕方を解説します。

①Discordアカウントを接続して、アカウントを作成する

現在EveryworldはDiscordをベースとしたプロトコルとなっているので、Discordのアカウントが必要です。

②X(旧:Twitter)のアカウントを連携して、フォローする

Xのアカウントを連携し、Everyworldのアカウントをフォローします。Everyworldの投稿に対して「いいね」や「リポスト」を行うことで、より多くのポイントを獲得することができます。これらのアクションはDiscord内で「Quest」として告知されています。

③ETH Walletの登録とKYC

Everyworldの独自トークン $EVERY のエアドロップを受け取るためのウォレットを登録します。このウォレットは、一度登録すると原則的に変更することができないので注意が必要です。すでに独自トークン $EVERY を発行することは示唆されており、レギュレーションの観点から18歳以上(日本は20歳以上)からしか Everyworldを使用することができません。同様に米国居住者も使用することができず、それらの対応のためにKYCを実施する必要もあります。

④ポイントの獲得方法

現時点でポイントを獲得する方法は限られており、「Discordのクエストを実施する」「友人を招待する」「earnチャンネルでコマンドを実行する」を行うことができます。現時点では、クエストを実施するのが最も効率よくポイントを獲得でき、earnチャンネルでのコマンドでは5分間ごとに5ポイントを獲得できます。そして定期的に抽選が実施され、当選すれば大量のポイントを獲得することが可能です。

今後は広告動画などを視聴することによってポイントを獲得できるようになります。すでに提携しているブロックチェーンゲームやビデオゲームのタイトルが20近く発表されているので、これらのゲームタイトルの広告を見たりすることでポイントを獲得できるようになるとされています。

支援先の環境保護団体


当初は下記の3つの環境保護団体を支援することを発表しています。

IUCN

1948年にスイスを拠点として設立され、自然の生態系の多様性を持続可能なものとなるように守るための活動を行っている団体。

The Nature Conservancy

1951年にアメリカを拠点として設立され、大地や水域といった自然環境の保護を行っている団体。

Fundacion Vida Silvestre Argentina

1977年にアルゼンチンを拠点として設立され、生物多様性を保護し、自然資源の持続可能な利用を推進する団体。

まとめ

Everyworldは、アテンションエコノミーにおける広告主とユーザーの関係をWin-Winの関係にし、なおかつ環境保護にも注力します。そのためにはまずはEveryworldに広告を出稿してくれる企業がいる必要があり、一定数以上のユーザーを集める必要があります。3月末時点ですでに22万人以上のユーザーがいるとされていますが、今後もこのユーザー数を維持もしくは増加させていけるか注目です。Everyworldのように、ユーザーに追加のアクションを求めない形での環境保護へのアクションを実施するプロジェクトは、参入障壁も少ないので今後も増えていくことを願っています。

【参照URL】Everyworld
【参照記事】Web3 ad service Everyworld reaches 225K users within a month of launching beta

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ビニール 【ReFi Japan】

2017年より暗号資産への投資を開始。海外プロジェクトの日本アンバサダーなどを務め、日本コミュニティの拡大や運営を担当。2022年よりWeb3インキュベーターであるFracton Venturesにて、主に企業様向けのWeb3研修会などを担当。ReFi JapanのCo-Founderとして、日本でのReFiの認知拡大の活動に尽力。