【暗号資産取引所の元トレーダーが解説】テクニカル分析で初心者がよくやるミスとは

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今回は、テクニカル分析で初心者がよくやるミスについて、大手暗号資産取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では暗号資産コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

暗号資産トレードをした事のある人や、FXトレードをしたことのある人なら分かると思いますが、テクニカル分析は簡単なものではありません。

プロトレーダーでも常に利益を出し続けることは難しく、テクニカルを利用したトレードで負けることが全くないという人は存在しません。特に初心者の方は、テクニカル分析でミスをしてしまう機会が多いかもしれません。

トレードで成功する人の特徴は、思い込みをしないこと、理論的に考えること、常に冷静でいることを徹底している点です。戦略を立てるのはもちろんですが、その戦略をしっかりと理解した上で常にマーケットの動きに対応してトレードをしていくことが必要です。

以上で述べたポイントは、暗号資産トレードで利益を出したいと考えている初心者の方も気をつけるべきものです。これらのポイントをしっかり押さえることで、リスク管理をしつつトレードで失敗した時はその原因を分析するなどして常にご自身のトレードの戦略を改善していくことができます。

この記事では、よく間違われる、または失敗する原因になりがちなテクニカル分析のポイントをご紹介していきます。

目次

  1. 損切りをしない
  2. 常にポジションを持とうとする
  3. リベンジトレードに挑む
  4. 自分自身のミスを認められない
  5. テクニカル分析が確実だと思い込む
  6. 他のトレーダーの戦略を過信する
  7. トレード技術の上達は日々自己研鑽のみ

テクニカル分析は市場を分析する指標の一種であり、暗号資産以外の金融商品に対しても使用されています。テクニカル分析の技術を身につけるには練習が必要です。ミスをしてしまう前に一通り初心者がやりがちなミスを見ていきましょう。

①損切りをしない

損切りをしないのはトレードをする上では当然のことと思われるかもしれません。しかし、「損切りをする」というのは大切な強調して何度も自分に言い聞かせる必要があります。

トレードでは利大損小という言い回しがあるように、損を限定する事が最優先になります。特に初心者の方はトレードを始めるとき、右も左もわからないかと思いますがまずは「勝つ事」ではなく「大きく負けないこと」を意識してやっていくと良いでしょう。

そのため、最初は自己資産を使わずにデモトレードを行ったり大きなポジションを持たないようにするのも初心者にはおすすめです。

②常にポジションを持とうとする

トレードを始めたばかりの時期の方は、常にポジションを持っていなければいけないと勘違いしている場合があります。中には、ポジションを持っていないと気が済まないという方もいるでしょう。

トレードでは常に注文を出し続けるというよりは、分析にしっかりと時間をかけ、注文を出してからは辛抱強く待つことが大事になります。また、市場の状況次第ではエントリーするタイミングを長い間見計らう必要もある場合があります。

経験を積んだトレーダーの中には、数ヶ月に一度の注文を出し、大きな利益を得ている人もいます。トレードをしない事は一見すると損益ゼロのように見えますが、資金を減らさないことに気を使うことは大事です。

一度エントリーのタイミングを逃したからと言って焦る事はありません。トレンドはサイクルになって動いていくため、しっかり待てば必ずエントリーチャンスはまたやってきます。

またエントリーのタイミングに関連したミスとして、「時間軸を短くしすぎてしまう」という物があります。時間軸が短い場合、市場ノイズがより多くチャートに現れるため一般的にインジケーターの信頼性が下がってしまうというデメリットがあります。

時間足を短く設定して一日に何度もトレードを行うデイトレードは難易度が高いという事を頭に入れておきましょう。

③リベンジトレードに挑む

FXにも言えることですが、大きな損失を作ってしまった人が焦って利益を出そうとした場合、かえって損失を広げてしまうケースが多いです。トレードをする上では感情的にならないことが非常に重要になります。

利益を順調に出している時には冷静にトレードをするのは比較的簡単に出来る人が多いでしょう。しかし、大きな損失を出してしまった時にでも冷静にトレードの戦略通りに動いていけるかどうかが決め手になります。

テクニカル分析のトレードでもファンダメンタル分析のトレードでも同じですが、客観的な分析をしていくことは基本中の基本です。どうしても損失を招いてしまって自信を失ったり、躍起になってトレードしたくなってしまうなら一度トレードから身を引くのも一つの手段です。日を改めてまた冷静にトレードしていきましょう。

また次のトレードはlot(注文サイズ)を半分にしてトレードを行うということも一つの有効な戦略です。心理的なコントロールが利益の積み上げにつながります。

④自分自身のミスを認められない

成功しているトレーダーの共通点として「自分自身の予想が外れたときに素直に認められる」という点が挙げられます。

特に初心者の場合は予想が外れることの方が多いため、予想を外した場合でもフィードバックを行い、戦略の見直しを行えば成長に繋がることでしょう。

また、市場の状況は常に変化していくため、一度効果的だった戦略で常に勝てるという事はありません。常に市場の変化に合わせて、自分自身の予想や戦略を見直していくことも大事な点でしょう。

自分自身の戦略や考えの中に、思い込みや理論的な穴が無いかを考えることも重要です。

⑤テクニカル分析が確実だと思い込む

テクニカル分析はあくまでも材料だということを頭に入れておきましょう。何かしらのテクニカル指標で買いサインを察知してロングポジションを持ったとしても、100%勝てるという事はありません。トレード戦略を考える際にもこれを意識しましょう。

自身のシナリオ通りに市場が動かない可能性がある事をよく理解しなければ、ロット数を大きくしすぎるなどのミスを犯してしまう場合があります。いつでも100%相場を予想することは出来ないため、リスク管理は徹底して行うことをおすすめします。

⑥他のトレーダーの戦略を過信する

トレードだけに言える事ではないですが、技術を上達させたい場合はトライアンドエラーを繰り返して技術を磨いていかなければなりません。暗号資産市場に参加している場合も同じことがいえます。

市場は日々変化していくので、その変化に応じるように自分自身も成長していかなければ継続的に勝つトレーダーにはなれません。特に、自分の強みや性格を理解してそこを利用して伸ばすことで、他のトレーダーから一線を画すポイントを作ることも出来ます。

継続的に勝っているトレーダー達のセミナーや教材を読んでいるという方は分かるかと思いますが、個々人のトレードには特徴があります。

トレーダーでも個々人で性格や考え方も違うので、全員が全く同じトレードを行う事はないです。そのため、有名なトレーダーのトレード術を真似して行うだけでは、「勝てるトレーダー」になることはできません。

もちろん、そうすることで何度か利益を出すことはできても、どのような理論が背景にあるのかを理解していなければ意味がありません。初心者の方は他のトレーダーのトレードを参考にする際には、特に背景にある理論を理解することに集中しましょう。

⑦トレード技術の上達は日々自己研鑽のみ

今回はテクニカル分析をしていく中で、トレーダーが犯してしまいがちな初歩的なミスについて解説していきました。

継続的に勝てるトレーダーになるには時間と努力が少なからず必要になります。一つ一つのトレードを通して自分の性格や特徴、または戦略の弱点などを洗い出しながらさらに改良した戦略を立ててトレードに挑んで頂けたらと思います。

徐々に緩やかに利益が積み上がってくるようになってくれば、より成長したいという意欲と楽しさが芽生え始めるため、最初は辛いかも入れませんが日々自己研鑽として努力を怠らないようにしましょう。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12