不動産業界の透明性と効率化を目指す、モノバンドルとサンフロンティアのブロックチェーン活用戦略

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2023年4月21日、モノバンドル株式会社とサンフロンティア不動産株式会社は業務提携を宣言しました。この提携は、両社が共同で「不動産業界×NFT」をテーマにした新たなプロジェクトを始動するスタートラインとなるもので、その新鮮な試みが業界内外から高い関心を集めています。

今回は、このモノバンドルとサンフロンティアの新たな提携について、その背景や目指す方向性を明らかにしながら、具体的な取り組み内容についても詳しく解説していきます。

目次

  1. モノバンドルとは
    1-1. モノバンドルの概要
    1-2. モノバンドルの事業内容
  2. サンフロンティアとは
    2-1. サンフロンティアの概要
    2-2. サンフロンティアの事業内容
  3. 両社が手がける不動産業界×NFTの世界とは
    3-1. 両社提携の概要
    3-2. 両社提携の背景
  4. 提携により進められる取り組み
    4-1. 「不動産領域×NFT」をコンセプトとしたWeb3.0業界への貢献
    4-2. 不動産取引における業務の効率化と透明性の向上
    4-3. 今後の展望
  5. まとめ

1.モノバンドルとは

1-1.モノバンドルの概要


​​モノバンドル株式会社は、2021年6月4日に設立され、ブロックチェーン技術を中心に、システム開発やコンサルティング業務を行っているマルチプロダクトカンパニーです。モノバンドルのミッションは「価値の流動性を、人類史上最も高める」こと。この目標達成のために、最新のテクノロジーを活用し、個人や法人が利用するインターネット上の取引をよりシームレスに行えるような環境作りに尽力しています。

近年、モノバンドルはブロックチェーンの普及と活用に取り組んでいます。2023年3月には教育プロジェクト「Blockchain Hacklab」を立ち上げ、学習機会を提供。また、2022年12月にはソフトバンクの子会社「SBペイメントサービス(SBPS)」と提携し、決済インフラ「Hokusai Payment(ホクサイペイメント)」の提供を開始しました。モノバンドルは、デジタル資産市場が拡大する現代社会に対応し、ブロックチェーンを活用したデジタルインフラの構築やデジタル資産の監査・認証に注力しています。これにより、ブロックチェーン技術を用いた各種サービスの利便性向上と信用リスクの低減を目指しています。

このような一連の取り組みを通じて、モノバンドルはブロックチェーン技術を中心に据えた総合ソリューションカンパニーとして、個人や法人を対象に多様な解決策を提供しています。

1-2.モノバンドルの事業内容

モノバンドルが手がける主要な事業内容は以下の通りです。

事業者向けNFT開発インフラ

モノバンドルは、事業者向けにNFT開発インフラ「Hokusai」を提供しています。Hokusaiはマルチチェーン対応のNFTインフラとして機能し、開発ツールを提供する「Embedded NFT」のAPIサービスを提供。これにより、オリジナルのコントラクト発行、柔軟なロイヤリティ設定、GAS代無料、APIの組み合わせによる高度な拡張性を持ったビジネス展開が可能となります。

事業者向けNFT決済インフラ

さらに、モノバンドルはNFT決済インフラ「Hokusai Payment」も提供しています。Hokusai Paymentは、クレジットカードを用いたNFTの支払いを可能にするサービスで、これまで仮想通貨が主体だったNFTの支払い方法を多様化し、エンドユーザーの利便性を高めることを目指しています。これにより、日本国内でのNFT関連の決済

事業者向けチケットNFTソリューション

その他にも、モノバンドルは事業者向けチケットNFTソリューション「Hokusai Ticket」を提供しています。このソリューションは、エンタープライズ向けにカスタマイズ可能なチケットNFTを提供し、エンタープライズとエンドユーザー双方の利便性を向上させ、デジタル上での売買を円滑にすることを目指しています。

Web3特化M&Aプラットフォーム

また、Web3特化のM&Aプラットフォーム「Merge Pad」も提供しています。Merge Padは、企業評価から候補企業の選出・選定、提案、交渉、成約までをサポートする役割を果たしています。ここでは、Web3.0やブロックチェーン技術を活用したい企業と、優れた技術やプロジェクトを持つ企業が最大限の社会的影響を引き出すことを目指しています。

コード監査事業

モノバンドルが手掛けるコード監査事業「Super Audit」では、ブロックチェーン技術を用いたサービスやプロジェクトのコード監査を行い、NFTによる認証を実施しています。これにより、プロジェクトの安全性確保とデジタル資産のハッキングリスク低減を目指しています。

インキュベーション事業

さらに、インキュベーション事業「Nether gate」では、ブロックチェーン技術を活用したプロダクトの開発を支援。世界を目指す起業家や開発者への事業検証プログラムを提供し、プロトコルの検証機会を提供しています。これにより、グローバル市場を目指す起業家や開発者の支援を積極的に行っています。

Blockchain Hacklab

その他に、モノバンドルは「Blockchain Hacklab」を運営しています。これはブロックチェーン技術の普及と啓蒙を目的としたプロジェクトで、国内外の先進事例の共有や業界全体の成長を促進することを目指しています。さらに、エンジニア間の知見共有を目的としたLT会「Blockchain Hacklab Night」、事業者向けの先進事例共有ウェビナー「Blockchain Hacklab Webinar」、そして専門家による最新情報提供ポッドキャスト「Blockchain Hacklab Podcast」を通じて、ブロックチェーン技術の理解と実用化を推進しています。

R&D企画

モノバンドルでは、ブロックチェーン技術の研究開発を進めるためのプロジェクトも実施しています。最新の技術動向をキャッチし、新たなブロックチェーン技術の可能性を探るとともに、その成果を具体的なプロダクトやサービスに結びつけることで、ブロックチェーン技術の発展に貢献しています。

コンサルティング業務

また、モノバンドルでは、ブロックチェーン技術に関するコンサルティング業務も行っています。企業のブロックチェーン技術導入に向けたアドバイスや、具体的な導入計画の策定、実装支援などを提供し、企業のブロックチェーン技術活用をサポートしています。

2.サンフロンティアとは

2-1.サンフロンティアの概要


サンフロンティア不動産株式会社は、1999年に設立された不動産活用の専門サービスを提供する企業です。2022年4月4日に東証プライムへの上場を果たし、その事業の幅をますます広げています。国内外に計16社のグループ会社を持ち、日本を代表する不動産会社の一つとして積極的な事業展開を行っています。

2-2.サンフロンティアの事業内容

サンフロンティアの手がける主な事業内容は下記の通りです。

不動産再生事業

サンフロンティアの不動産再生事業では、都心の既存中小型オフィスビルを購入し、クライアントのニーズを反映した新しいコンセプトのビルへとリニューアルします。また、地域密着型のテナント斡旋力を活かしてビルの稼働率を上げ、収益性を高めるとともに、ビルオーナーや投資家への販売を行っています。

不動産サービス事業

ビルオーナーをトータルにサポートし、資産価値の向上に貢献する不動産サービス事業も展開しています。各事業部門がそれぞれの専門性を持ち寄り、協力しながら事業を展開しています。

ホテル・観光事業

ホテル・観光事業では、ホテル開発事業やホテル運営事業、地域創生事業を進めています。特に地域創生事業では、「地方が元気になれば、日本が元気になる」をモットーに、佐渡島をはじめとした地域での事業を推進しています。

その他事業

その他の事業として、海外開発事業や建設事業も行っています。海外開発事業では、成長が期待される東南アジアに進出し、日本の高度な施工技術を活用した不動産開発を行っています。また、建設事業では、事業用ビルのリニューアル企画や修繕、改修工事、内装仕上工事、電気通信工事などを行っています。

3.両社が手がける不動産業界×NFTの世界とは

3-1.両社提携の概要

モノバンドルとサンフロンティアは、2023年4月21日にパートナーシップを結び、「不動産業界×NFT」をテーマとしたさまざまなプロジェクトを開始することを発表しました。この提携を通じて、Web3.0分野のスタートアップやコミュニティへの体験提供や、ゲートウェイとしてのコミュニティ間協業・協創に貢献すると述べています。

また、ブロックチェーン技術を活用した不動産関連サービスを開発し、取引プロセスの効率化と透明性の向上を図るとともに、ブロックチェーン技術の導入とイノベーションの推進を進めていくとしています。

3-2.両社提携の背景

ブロックチェーン技術は近年、多くの業界で利用されるようになり、不動産業界でもその導入が進んでいます。この中で、サンフロンティアとモノバンドルは「不動産領域×Web3.0」をコンセプトに、不動産業界におけるNFTとブロックチェーンの導入を推進し、業界のイノベーションを牽引していくと述べています。

モノバンドルは、不動産分野で多くの実績と知見を持つサンフロンティアとのパートナーシップを通じて、ブロックチェーン技術の産業統合とWeb3.0分野へのスタートアップ・コミュニティの貢献を目指しています。さらに、新しい購買体験の提供や、先進的な事例の創出を目指しています。

さらに、今後はブロックチェーン技術が不動産分野に更に統合されることで、ただの投資だけではなく、分散型自律組織(DAO)と組み合わせた新しい不動産流通システムやワークスタイルの創出が期待されています。この提携を通じて、両社はそれぞれの強みを活かした新たなサービスを提供していく方針です。

4.提携により進められる取り組み

4-1.「不動産領域×NFT」をコンセプトとしたWeb3.0業界への貢献

この提携により、両社は「不動産領域×NFT」をテーマに、Web3.0業界のスタートアップやコミュニティに対して新しい体験の提供や、コミュニティ間の協力と創造を促進する役割を果たすとしています。

4-2.不動産取引における業務の効率化と透明性の向上

従来の不動産取引では、必要な書類の取得に多くの時間と労力が必要でしたが、ブロックチェーン技術を用いることでこれらの手間が大幅に削減できます。ブロックチェーンは正確な情報を安全に管理でき、改ざんや不正が極めて難しいため、セキュリティの強化やエラー対応も可能になります。

一方で、不動産会社が所有する多くの情報は一部しか公開されていないため、消費者は必要な情報を十分に入手できません。これは不動産業界における大きな課題であり、消費者が安心して取引できるためにも情報の透明性の向上が求められています。

そこで、ブロックチェーン技術が役立ちます。ブロックチェーンを用いることで、誰もがブロック内のデータにアクセスでき、その情報は改ざんされることなく半永久的に保存されます。これにより、情報の透明性が向上し、消費者の安心感が増すでしょう。

したがって、これまで不動産会社だけが握っていた情報が消費者にも共有できるようになり、情報の不均衡が解消されます。これにより、取引の透明性が向上し、安心して取引を行える環境が実現します。

モノバンドルとサンフロンティアは、ブロックチェーン技術を不動産分野に導入することで、取引プロセスの効率化と透明性の向上を目指しています。

4-3.今後の展望

両社はこのパートナーシップを機に、ブロックチェーン技術の不動産分野への導入と革新を積極的に推進していく予定です。さらに、連携を深めることで、不動産分野における革新的な価値を提供するプロジェクトやサービスを展開し、その強みを生かして新たな事例の創出に取り組むと述べています。

5.まとめ

モノバンドルとサンフロンティアは、パートナーシップを結び、「不動産×NFT」をコンセプトにしたプロジェクトを推進することを発表しました。ブロックチェーン技術が多様な分野で利用されている中、両社はこの技術を不動産分野に導入し、業界が抱える問題解決と取引プロセスの効率化、透明性の向上を目指しています。

ブロックチェーンと不動産の組み合わせは、様々な可能性を秘めており、今後その領域はさらに拡大していくことでしょう。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12