今回は、Move to Earnアプリについて、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- Move to Earnの特徴
1-1.Move to Earn(ムーブ・トゥ・アーン)とは
1-2.Move to Earnで使用するアイテムはNFT化される
1-3.トークンの値上がりによる利益を狙える - Move to Earnのおすすめアプリ3選
2-1.STEPN
2-2.Step App
2-3.moveZ - まとめ
22年に、運動して仮想通貨(仮想通貨)を稼げる「Move to Earn(ムーブ・トゥ・アーン)」のカテゴリーが注目を集めています。運動をすることでお金につながるという画期的な仕組みから、「これまで仮想通貨に興味がなかった」という人々の中でも話題となっています。今回の記事では、「Move to Earn」の仕組みや、おすすめのサービスを紹介していきます。
①Move to Earnの特徴
まずは、「Move to Earn」の仕組みについて確認していきます。
1-1. Move to Earn(ムーブ・トゥ・アーン)とは
Move to Earn(ムーブ・トゥ・アーン)とは、動くこと(move)と稼ぐこと(Earn)を掛け合わせた造語で、ユーザーが動くことで報酬を得ることができる仕組みです。スマートフォンのGPSや加速度センサー等と連動することで、ユーザーのウォーキングやランニングなどの運動量に応じて仮想通貨を受け取れるようになっています。
仮想通貨市場では、「Move to Earn」の以前に「Play to Earn」つまり「遊んで稼ぐ」という仕組みも話題になりました。「Play to Earn」の代表的なプロジェクトが「アクシー・インフィニティ」です。アクシー・インフィニティでは、アクシー(Axie)と呼ばれるモンスターを育成や取引、対戦することで仮想通貨を稼げる仕組みとなっています。モンスターはNFT(非代替性トークン)化されているため、プラットフォームから持ち出してNFTマーケットプレイスで売買することが可能となります。
その後「Learn to Earn(学んで稼ぐ)」など派生概念が生まれていますが、その中でも「Move to Earn」が大きく注目されています。コロナ禍以降、世界中の人々の間で健康志向が高まっていたことも「Move to Earn」が広く注目されることの要因になったといえるでしょう。
1-2.Move to Earnで使用するアイテムはNFT化される
アクシー・インフィニティでのモンスターと同様に、「Move to Earn」で使用されるアイテムはNFT化されていることが特徴です。
NFT(非代替性トークン)は、コピーができない唯一のデジタル資産のことで、特定のゲームステータスが反映されたアイテムや不動産の所有証明など唯一無ニの情報をトークン化することができます。
例えば、「Move to Earn」の代表格であるSTEPNは、デジタルスニーカーのNFTを購入してレベルアップをさせながらゲームを進めていきます。このスニーカーはあなただけのゲームデータを反映しており、コピーできない性質があります。マーケットプレイスでは、こうしたレベルアップ後のスニーカーNFTに高値が付くこともあります。
「Move to Earn」には、NFTを売却して稼ぐ、NFTを貸し出して稼ぐといった側面もあります。
1-3.トークンの値上がりによる利益を狙える
「Move to Earn」のアプリでは、運動量に応じて報酬トークンを受け取れますが、このトークンを換金することにより収益化できます。また、参加者が多くなれば市場が活性化するため、必然的にトークンの価格も上昇します。早期に参加していればトークンの値上がりの恩恵も受けられる可能性もあります。
ただし、その反対にアプリへの参加者が減少するとトークンの価格も下落してしまいます。実際にアクシー・インフィニティでは、2022年3月の約6億2,500万ドル(約770億円)ものハッキング被害をきっかけに、ユーザー離れが加速しました。結果としてゲーム内で受け取れる仮想通貨「SLP」の価格も大きく下落することとなったのです。
仮想通貨の価格変動リスクは「Move to Earn」だけに限ったことではありませんが、「必ず稼げる」というわけではないことを理解しておきましょう。
②Move to Earnのおすすめアプリ3選
「Move to Earn」の特徴を抑えたうえで、ここからはおすすめのアプリを3つ紹介していきます。それぞれ付与されるコインや初期投資額などもまとめているため、「Move to Earn」を始める際の参考にしてください。
2-1.STEPN
アプリ名 | STEPN |
ブロックチェーン | Solana(ソラナ) |
報酬コイン | ・GST ・GMT |
初期投資 | 数十万円程度 (購入するスニーカーによって異なる) |
公式サイト | https://stepn.com/ |
STEPNは日本人ユーザーが多く、SNSでも多くの参加者が見られる「Move to Earn」アプリです。参加者はまずNFT化されたスニーカーを購入し、スニーカーを保有しながら歩いたり走ったりすることで、運動量に応じて仮想通貨の「GST」が付与されます。
スニーカーは、運動の速さによって「WALKER」「JOGGER」「RUNNER」「TRAINER」の4種類に分けられています。それぞれ適正な運動スピード範囲が決められており、その範囲外の運動についてはGSTが付与されないため注意が必要です。「まずはゆっくり歩きたい」「ダイエットも兼ねてしっかりランニングをしたい」といった目的別にスニーカーを選びましょう。
STEPNでは、初期投資としてスニーカーの購入費がかかるため、まずは初期投資を回収するところからスタートとなります。初期投資の回収が終われば、そこからはGSTを稼いで楽しみましょう。
2-2.Step App
アプリ名 | Step App |
ブロックチェーン | Avalanche(アバランチ) |
報酬コイン | FITFI |
初期投資 | 未定 |
公式サイト | https://step.app/ |
Step Appは、第2のSTEPNとも呼ばれており、STEPNと同様にNFT化されたスニーカーを購入し運動を行うアプリです。
Step Appはこれからベータ版アプリが公開される段階であり、スニーカーの詳細や初期投資額などは未公開となっています。公式サイトでは、2022年5月6日からスニーカーを入手するためのドロップチケットのステーキングが開始され、それと同時にFITFIの価格も大きく上昇しました。このことからも、すでに多くのユーザーから高い注目を集めていることが分かります。
それだけStep Appが大きな注目を集める要因には、メタバース技術が活用されている点が挙げられます。Stepp Appでは、アプリ内のメタバースにて他のユーザーとの交流や対戦機能が提供される予定です。他のユーザーと協力してゲームを進めたり、仮想通貨の賞金をかけた大会が開催されたりと、STEPNにはないメタバース交流型の機能が多く搭載されることから、ユーザーの期待値も上がっているようです。
まだ正式なアプリはローンチ前であることから、早期にプロジェクトへ参画できる楽しみもあるでしょう。
2-3.moveZ
アプリ名 | moveZ |
ブロックチェーン | BNBチェーン |
報酬コイン | moveZ |
初期投資 | 未定 |
公式サイト | https://movez.me/ |
moveZは、2022年5月1日に発表されたばかりの「Move to Earn」プロジェクトです。大手投資会社の「BlueZilla」が手掛けていることから、発表から間もない状況にもかかわらず多くの投資家から注目を集めています。
moveZの公式サイトで公開されているロードマップを見ると、2022年5月現在は「Phase1」に該当する段階といえるでしょう。5月24日にはBNBチェーンの主要なDEX(分散型取引所)であるPancakeSwapでIDO(イニシャルDEXオファリング)を実施する模様です。
これから詳細が公開されていく予定なので、公式Twitterや公式サイトで情報をチェックしておくことがおすすめです。moveZではホワイトリストへの登録を受け付けています。ホワイトリストへ登録をしておくと、今後プロジェクトの詳細が発表されたときに優遇が受けられるなどの特典が期待できます。ホワイトリストへの登録には費用などもかからないため、興味がある人は早めに登録しておきましょう。
③まとめ
運動しながら仮想通貨を稼げる「Move to Earn」は、現在多くの投資家から注目を集めている仕組みです。「健康の維持」と「仮想通貨への投資」が同時に叶うことから、これまで仮想通貨に興味がなかった人の間でも大きく話題になっています。
「Move to Earn」の代表的なアプリはSTEPNですが、その他にも多くのアプリがローンチされています。それぞれ付与されるコインや初期投資額などが異なるため、自分に合ったアプリを探してみましょう。
中島 翔
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