仮想通貨初心者がSNSで情報収集するときの注意点

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今回は、仮想通貨初心者がSNSで情報収集するときの注意点について、大手暗号資産取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では暗号資産コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. まずは投資の基本をおさらい
  2. フォローするべきアカウントを見極める3つのポイント
    2-1. トレードで先出しで予想している人は良くも悪くも見分けやすい
    2-2. 技術やロジックを学ぶなら、マニアックなつぶやきをする人をフォロー
    2-3. Twitter・インスタグラムで札束を広げてアピールするような人は基本無視
  3. 自分自身で判断できる物差しを持つこと

今年はNFTの盛り上がりやバブルによって仮想通貨取引に挑戦しようと思われる方も出てきているのではないでしょうか。

仮想通貨市場の投資家はWebのリテラシーが高い人も多く、特にTwitterや海外ではDiscord等利用する方が多いです。こうした投資家は自身のトレードに関して色々呟いていることが多く、Twitterから自分自身のDiscordのグループ等へ促す営業活動、販促活動を行っているインフルエンサーも存在します。

彼らの中には本当にトレードが上手なインフルエンサーもいますが、単純な見せかけで実際知識もないようなインフルエンサーが存在するのも事実です。

ここでは少しシビアな見方で元トレーダーとしてSNSを仮想通貨初心者がどう利用するべきなのかを解説します。これは私見が入っているためこういう見方もあるのかという一意見として読み進めてもらえると幸いです。

まずは投資の基本をおさらい

SNSについてお話しする前に、投資の基本として改めて覚えてもらいたいことがあります。それは「投資は自己責任であり損失が出て借金ができても、家族を失っても、自己破産してもそれは自己責任である」ということです。

かなり厳しく書いてしまいましたが、これは筆者がTwitterをしている中でいつも感じることで、この基本・原則に照らし合わせると投資をするべきでない人が多く存在する印象を受けています。日本人の不思議な点として、仕事に対しての勉強はとても一生懸命行い勤勉な性格として知られていますが、金融リテラシーが低く、投資に対しての勉強は全くされていません。

昨今のコロナ環境下、将来に不安を抱いている方が投資の勉強を行いたいということでトレードの勉強を行う動きも出ていますが、仮想通貨に興味を持つ人は足元資金がなくなってきており大きなリターンを狙うようなスタイルが多いように見受けられます。

もちろんそうではない人もいますが、事実何倍にもなる通貨を探し求めている動きが出ていることは事実です。しかし、今こそ地に足をつけて数年我慢するくらいの覚悟で勉強することの方が大切ではないかと筆者は考えています。SNSは投資を勉強するツールとしてとても有用で、筆者も日々みなさんから勉強させてもらいながら、素敵な人が多いTwitterに感謝して大切に利用させてもらってます。

以下では初心者がSNSを利用する場合において、筆者が大切だと思うことについて解説させていただきます。

Twitterは知識の宝庫

トレードで先出しで予想している人は良くも悪くも見分けやすい

最初に覚えておくべきTwitterの使い方は、どのような方をフォローすると勉強になるかを見極めることでしょう。フォローするべき方はフォロワーが多いというだけで判断することはできません。仮想通貨界隈では周りにいる人や交流している人によって考え方が異なる傾向が非常に強く、投資に慣れた私たちでもホワイトカラー系やグレー系と呼んでリスト化・ラベリングしているほどです。

フォローするべき方かを見分けるおすすめの方法は、常にトレードを先出しで予想してツイートしているかどうかです。このような人は予想が当たったかどうかで判断がしやすく、その人の良し悪しに関係なく結果が見えやすいという点でフォローする価値は十分にあるでしょう。なぜそこでエントリーしたのか、そうしたロジックや考え方を盗むというスタンスがおすすめです。

しかし、彼らはボランティアでツイートをしていることもあり、いつ決済したのかわからない場合が多いです。とはいえ、そこまで教えてもらおうという考えは甘いということも覚えておいてください。

トレードを予想する人は全員がフォローに値するかというとそうでもないということも注意が必要です。例えば、エントリーから一時的に利益が出たりしていて、常に買っているようなふりを見せるアカウントは要注意です。また、MetaTraderで結果を画像で表示していても、合成等の可能性もあります。トレードの結果が偽造されていないかも気をつけるようにしましょう。

筆者自身も時々先出しでツイートしてますが、悲しいことにその予想が外れることもよくあります。しかしトレードはトータルで利益を出せばいいことであり100戦100勝できるトレーダーなどこの世に存在しないのです。

技術やロジックを学ぶなら、マニアックなつぶやきをする人をフォロー

筆者はトレードを勉強したいというよりはトレーダーとして儲かるかどうかの視点で相場を常に見てしまう傾向があります。そのため、技術的な側面がどのように波及していくのかについて応援はしているものの、どう相場が動くかの方が優先度として高いです。しかし、価格が上昇するのかどうかというのは、基本的な技術的側面や背景を勉強する必要もあり、レポートを読んだりしながら日々勉強しています。

仮想通貨の界隈ではマニアックなユーザーはTwitterでとても有用な情報を無料で提供してくれています。仮想通貨を心底浸透させ、広めていきたいという強い熱意がある方も多いので、是非学ばせてもらうという意味でフォローし、いいねをつけてあげることをおすすめします。このような方が情報提供してくれることで素晴らしい技術が日本中で浸透するきっかけになるため、私自身応援していきたいと思いますし、どのように貢献できるか考える必要もあると思っています。

Twitter・インスタグラムで札束を広げてアピールするような人は基本無視

筆者もインスタグラムをプライベートで行っていますが、DMでよく仮想通貨の相談を受けることがあります。ほとんどの相談は仮想通貨の詐欺案件の話です。

このように直接DMで勧誘してくるならわかりやすいのですが、中にはお金を稼ぎたいという心理を突いたことをしてくる人もいます。それが札束を広げてアピールするような人たちです。Twitterやインスタグラムでお金を持っている様子を見せ、読み手からお金を稼ぐ手段を教えてほしいとDMをさせるのです。

実際にどのような例があるのか2つほど事例をご紹介します。

インスタグラムで利益が出たようなLINEのやりとりを載せている

このケースでは基本的にお金をアピールすることが多いです。トレードの画面や「数分で30万円くらい稼げたよ」というLINEでのやりとり、稼いだお金で良い旅館に泊まっているという投稿をして、そうした投稿に反応したユーザーに業者がDMをすることから始まります。

これは相手の思う壺とも言える事例で特に注意が必要です。こうしたケースでは、ユーザーを「生徒」という形でトレードのやり方を教える流れになるのが一般的ですが、生徒の利益が上がったら決めたパーセンテージを徴収するけれど、損失が出ても特になしというような「契約」が結ばれます。つまり業者側としてはリスクは0ということです。

こうした例もありますので、お金をアピールしながら稼がせてあげるというような相手にDMを行うことはやめましょう。全員がそうだとは言いませんが、こうした人が知識もありトレードも上手いという例を筆者は見たことがありません。さらに言ってしまうと、誰かに教える時間があるなら自分でトレードして稼いだ方が早いのです。

冷静に考えてみれば分かることだと思いますが、焦っている時には見落としがちな部分でもあります。十分に注意しましょう。

海外の仮想通貨取引所の名前を利用した投資案件

これは筆者が8月に実際に受けたものです。その内容は、アメリカで大手の暗号資産取引所であるKrakenの名前を利用したもので、トレードのやり方を教えてあげるから数万円でやってみないかという案件でした。

この案件ではアプリも存在しており、ウォレットアドレスに仮想通貨を入金することができます。このアドレスに自身の保有する仮想通貨を入金して相手の言う通りにすると、アプリ上で金額が数十万単位で増えていきます。資産がどんどん増える喜びに資金管理が甘くなり、数百万円を入金・・・資産はもちろんさらに増えることになりますが、いざ資金を引き出そうとすると問題が起こります。「手数料が足りてないからもう少しトレードを行ってくれ」「税金の問題があるから先に税金分払ってくれ」という話になり、入金した金額と手数料を取られて資金は戻ってきません。

このケースはかなり悪質ですが、このような営業もTwitterやインスタグラム、最近ではマッチングアプリ等でも行われています。お金にまつわる美味い話には裏があると言うことをしっかりと覚えておきましょう。

自分自身で判断できる物差しを持つこと

ここで述べてきたことは仮想通貨投資でSNSを利用する際の注意点の中でもほんの一部に過ぎません。

Twitterを営業目的で行っている人は多いですが、もちろんその営業の先に全て悪いものがあるわけではありません。大事なことは自分自身が目的意識を持って、信用に値する相手・情報なのかどうか見極める判断軸を持つことです。

初心者のうちからこうした見極めは難しいかもしれませんが、仮想通貨界隈の人は優しい方も多いので、突然のDMにも返信してくれる可能性があります。ですので、最初は謙虚に質問してみるというのもおすすめです。もちろんDMは質問相手の時間をいただくことにもなるため、質問内容も適切なのかどうか、自分で調べて解決できないかなどを十分に考えてから送るようにしましょう。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12