人類の発展へ貢献することを目指す慈善基金「FTX Future Fund」とは?

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今回は、FTXのフューチャーファンドについて、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. FTXとは?
    1-1.FTXの概要
    1-2.創業者のサム・バンクマン・フリード氏
    1-3.FTXの特徴
  2. FTXのフューチャーファンドとは?
    2-1.FTXの概要
    2-2.フューチャーファンドの概要
    2-3.資金提供の対象について
    2-4.出資額について
    2-5.FTXベンチャーズ
  3. まとめ

2022年2月、世界的な仮想通貨(暗号資産)の現物・デリバティブ取引所であるFTXは、日本の取引所Liquid by Quoineの親会社リキッドグループを買収しました。今後はLiquid by FTXを通じて、日本ユーザーへ商品・サービス提供を行う目論みです。

そんなFTXは22年2月28日、「FTX Future Fund」と呼ばれる慈善基金の設立を発表しました。この基金は最大で1,150億円規模となります。今回は、今後日本でプレゼンスを高めてくるであろうFTXの最新動向の一つ、「フューチャーファンド」についての概要や目的について解説します。

①FTXとは?

まず初めに、FTXについての基本概要を解説します。

1-1. FTXの概要

FTX Global
FTXは2019年5月にマサチューセッツ工科大学(MIT)の卒業生であるサム・バンクマン=フリード氏とゲイリー・ワン氏によって設立されました。米国においては、FTX.US、それ以外の国を対象にFTX.comを運営しています。

FTX.comは現時点で仮想通貨の現物取引量でBinanceとCoinbaseに次いで世界3番目の規模に拡大しています。永久スワップが利用できるデリバティブ取引の分野でもトップ5に入る存在感を示しています。

FTXはまた「FTXトークン(FTT)」という独自トークンを発行しています。FTTの時価総額約7240億円で時価総額ランキング27位を誇ります。

1-2. 創業者のサム・バンクマン・フリード氏

FTX Global2
FTXの創業者のサム・バンクマン・フリード氏はカリフォルニア州スタンフォード生まれです。14年に世界最高峰の名門大学の一つMITで物理学の学士号を取得した後、ウォール街の大手トレーディング会社Jane Street GroupでETFトレーダーとして経験を積みました。

17年9月に独立してAlameda Research(アラメダ・リサーチ)と言うトレーディング会社を設立。日米市場の価格差を利用したアービトラージ(裁定取引)を駆使して6,000万ドル(約66億円)を超える累積利益を積み上げました。その後、同氏は19年にFTXを設立しました。

1-3. FTXの特徴

FTXの特徴は下記の通りです。

①豊富な取扱商品

FTXでは仮想通貨の現物取引のほか、様々な金融派生商品を提供しています。

  • 先物取引/MOVEコントラクト/現物取引/レバレッジトークン/インデックストークン/株式トークン化取引

これらはそれぞれリスクやリターンなどの特徴が異なるため、ユーザーは自身の投資方針に合ったものを選べるメリットがあります。

②ハイレバレッジ取引が可能

FTXでは、保有資産の最大20倍の資金を取り引きできる商品「Perpetual Swap(無期限先物)」を提供しており、投資家は手持ち資金以上の取り引きが可能になっています。レバレッジとは「てこの原理」のてこを意味する言葉で、少ない資金を使って大きな収益を生み出すことが可能だという意味が込められています。

③ステーキングが可能

FTXトークンはFTX.comでステーキングが可能です。FTTの保有量に応じて報酬を得られるため、値上がり益であるキャピタルゲインだけでなくインカムゲインを狙うことも可能となっています。仮想通貨のステーキングとは、その仮想通貨を保有してブロックチェーンのネットワークに参加することで、報酬が対象の仮想通貨で支払われる仕組みのことです。

②FTXのフューチャーファンドとは?

次に、FTXのフューチャーファンドについて、解説します。

2-1. フューチャーファンドの概要

FTX Global3
FTXは、22年2月28日に最大10億米ドル規模の慈善ファンドである「FTX Future Fund」を設立したことを発表しました。このファンドは、長期的に人類を発展させるための野心的なプロジェクトに対して、資金提供を行うことを目的としています。

このファンドは、FTX財団というFTXの慈善事業部門によって運営され、CEOであるニック・ベックステッド氏のほか、レオポルド・アシェンブレナー氏、ウィル・マッキャスコ氏、ケタン・ラマクリシュナン氏によって率いられるということです。

2-2. 資金提供の対象について

最初の資金提供の対象は、営利組織、非営利組織、ハイブリッド組織となっています。

FTXの発表によると、具体的には、バイオリスクの軽減、人工知能(AI)の安全な開発、大国間関係、経済成長、選挙制度の改善、貧困問題のソリューション、効果的利他主義に関わるプロジェクトということです。これらの分野に貢献する見込みのあるプロジェクトに対して今年中に最低1億米ドルを出資していく計画です。

FTX Future Fundはすでにプロジェクト向けの申請ページを開設し、22年3月21日までに最初の公開資金調達ラウンドに応募するよう呼びかけました。

また、独立した助成金提供者に対して裁量予算が提供される承認プログラムも発表しました。21の最初の資金受給予定者はすでにプログラムテストに招待済みで、現在は他の受給者を見つける段階にあるとしています。

どのようなプロジェクトに投資するべきかについてアイデアを提供した人に対して約58万円の賞金を提供するコンペも開催しているということです。

2-3. 出資額について

FTX Future Fundは、要件を満たしているプロジェクトに対して、今年中に少なくとも100億円を分配していく計画と説明しています。また、原則として、今年の最大の出資額を1,150億円(10億ドル)に設定することを明らかにしています。

2-4. FTXベンチャーズ

FTXはFTX Future Fund以外にも、22年1月に「FTXベンチャーズ」と呼ばれる20億ドル(約2,300億円)のベンチャーキャピタルファンドをスタートしています。こちらは主にソフトウェア、ゲーム、フィンテック、ヘルスケアのWeb3企業を対象に、あらゆるステージに出資していく戦略系資本ファンドです。エイミー・ウー氏が主導するこのファンドは、ブロックチェーンスペースに重点を置いて、開発段階にあるプロジェクトに投資して行く計画です。

③まとめ

今回、大手仮想通貨取引所のFTXによって発表された大規模なフューチャーファンドは、関連分野の発展に大きく貢献するとみられています。22年1月に発表されたFTXベンチャーズはブロックチェーンに重点を置いていますが、FTX Future Fundは人類の未来を改善する目的です。幅広い分野のプロジェクトを対象としており、FTXの社会貢献に対する積極性があらわれていると言えるでしょう。

FTXは日本居住者の口座開設はできなくなりましたが、FTXやFTXトークンに興味のある方は日本法人であるFTX Japan株式会社が運営する「Liquid by FTX」で口座開設の検討をおすすめします。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12