株式会社Klultureのデジタルウォレット「A Wallet」について解説

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今回は、Klultureのデジタルウォレット「A Wallet」について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. A Wallet(エーウォレット)とは
    1-1.A Wallet(エーウォレット)の概要
    1-2.A Wallet(エーウォレット)開発の背景
  2. 開発元である株式会社Kulture(カルチャー)
    2-1.株式会社Kulture(カルチャー)の概要
    2-2.株式会社Kulture(カルチャー)の事業内容
  3. A Wallet(エーウォレット)の特徴
    3-1.さまざまなサービスと連携している
    3-2.ポリゴンチェーンを採用している
  4. 今後の展開
    4-1.全く新しいNFT施策の展開
    4-2.第一弾施策オリジナル視聴チケットNFT
  5. まとめ

22年12月15日、株式会社Kulture(カルチャー)は親会社である株式会社アミューズと共同で、新たなウォレットサービス「A Wallet(エーウォレット)」をリリースしたことを明らかにしました。

今回発表されたA Walletは、さまざまなエンタメサービスと連携することによって誰もが簡単にNFTを保有することができるデジタルウォレットとなっています。

そこで今回は、株式会社Klultureによって新たにリリースされたA Walletについて、その概要や特徴などを詳しく解説していきます。

①A Wallet(エーウォレット)とは

1-1.A Wallet(エーウォレット)の概要

A wallet
「A Wallet(エーウォレット)」とは、デジタル資産としてのNFT(非代替性トークン)を保有および管理することができるデジタルウォレットサービスのことを指します。

A Walletは、開発元である株式会社Kulture(カルチャー)の親会社である株式会社アミューズが運営を手がけている「LIVESHIP(ライブシップ)」や「A!SMART(アスマート)」、各種ファンクラブなど、アーティストに関連するさまざまなサービスを利用するにあたって必要となる共通ID「A!-ID(エーアイディー)」と連携することで、簡単にアカウントの作成やログインができるサービスとなっています。

これまでデジタルウォレットを作成するには、複雑な会員登録のほか、秘密キーやシードフレーズなどの管理が必須であったため、なかなか気軽に作成することが難しく、ウォレットの普及における大きな障壁の一つとなっていました。

そんな中、A Walletではこれらの複雑な作業をすべて取り除き、前述したA!-IDのみで簡単にウォレットを作成することができるようになったというわけです。

1-2.A Wallet(エーウォレット)開発の背景

Kultureはこれまで、会社の設立記念NFT「Kulture membership Pre-Launch NFT」の販売をはじめとして、さまざまなアーティストのNFT施策支援などを実施してきました。

NFTは代替不可能という特徴を持つデジタルデータとなっており、これまでコピーや改ざんが比較的簡単だとされてきたデジタルデータに唯一無二の価値を付与した、革新的なテクノロジーとして知られています。NFTはこの唯一性があるという特性から、アーティストや作品の権利を守るために活用することが可能なほか、クライアントに裏付けのある「本物」を提供できるというメリットも兼ね備えています。このように、NFTはさまざまなプロジェクトに組み込むことが可能となっており、NFTの台頭によってエンターテインメントのさらなる可能性がより一層広がることとなりました。

しかしその一方で、NFTを保有するために必要となるユーザーのデジタルウォレットについては、作成および利用に伴う複雑さが課題として浮き彫りになっていました。

そんな中、Kultureでは誰もが簡単かつ安全に利用することができるデジタルウォレットサービスを開発する必要があると考え、サービス開発の第一弾として今回のA Walletをリリースするに至ったというわけです。

②開発元である株式会社Kulture(カルチャー)

2-1.株式会社Kulture(カルチャー)の概要

Kulture
A Walletの開発元である株式会社Klulture(カルチャー)は、総合エンターテインメント企業として広く知られている株式会社アミューズの子会社として、22年4月に設立されました。

Klultureは、アミューズのデジタル部門を牽引する白石耕介氏が代表取締役を務めており、アミューズグループの新たなチャレンジの場という位置付けで誕生しました。

また、「Create the next entertainment(新しいエンターテインメントを創造する)」ことをミッションとして掲げながら、さまざまなプロジェクト展開を行っています。

Klultureでは、エンタメコンテンツはテクノロジーの進化に伴って常にその姿形を変え、この先もずっと変わり続けていくものであるとしており、だからこそ、これまでのエンターテインメント産業に日々進化を遂げている先端テクノロジーの力を掛け合わせることで、エンターテインメントの可能性を再定義するとともに、新たな価値を創造していきたいと語っています。

2-2.株式会社Kulture(カルチャー)の事業内容

Klultureで展開されている主な事業は、下記の通りとなっています。

・Service Development

Service Developmentでは、エンタメコンテンツの魅力を最大限に引き出すサービス群の企画および開発を行っています。インターネットのWeb3.0への移行はエンタメビジネスに対して大きな影響をもたらし、求められるサービス群も日々変化を遂げています。

そんな中、Klultureでは新型コロナウイルスの蔓延によってリアルでのライブが困難になった背景を受けて開発した、デジタルイベントのストリーミング配信サービス「LIVESHIP(ライブシップ)」の次世代型へのアップデートのほか、ブロックチェーンまたはNFTといった今後のテクノロジー・トレンドを活用した新たなサービスの企画および開発を推進しています。

・IP Marketing

IP Marketingでは、アーティストやIPに必要な「デジタル起点の仕掛け」の推進を行っています。

Klultureでは、優れたコンテンツは優れたマーケティングプランを伴うことによって、初めて大きな現象を生み出すことができると考えており、Web3.0やメタバース(仮想空間)などの新たなテクノロジー・トレンドによって今後のマーケティング手法が大きく変化することが予期される状況の中、いち早くチャレンジングなマーケティングプランを提案且つ実行し、社内外のアーティストや各IPホルダーと協力して次の現象を生み出す挑戦をしていくと説明しています。

・IP Development

IP Developmentでは、リアルなアーティストのマネージメントに限定しない、新たな形でのIP創出の推進を行っています。22年現在、テクノロジーの進化に伴って私たちの生活様式も絶え間なく変化している中で、IPの姿形も今後大きく変わっていく可能性があると言われています。

そんな中、Klultureではメタバースなどの仮想空間をベースとしたIPの企画や開発のほか、既存アーティストのデジタル領域における新たなプロジェクト展開をIPホルダーと共同で推進し、次世代のスターIPの創出を目指していくということです。

・KultureFUND

KultureFUNDでは、Web3.0およびメタバース領域のスタートアップに対する投資事業を行っています。

具体的には、エンターテインメントの発展をともに目指すことのできるスタートアップへの投資を実施するとしており、投資を行った後はKultureが保有しているコンテンツ群とのシナジー(相乗効果)を演出することによって、パートナー企業という立場としてもに新たなエンターテインメントの創出と成長を目指していくということです。

このように、KultureではWeb3.0やNFT、メタバースといった新たなテクノロジー群を活かし、コンテンツホルダーであるKultureだからこそできるプロジェクトにトライすることで、エンターテインメントの可能性のさらなる拡大を実現し、新たな価値の創造に尽力していくということです。

③A Wallet(エーウォレット)の特徴

3-1.さまざまなサービスと連携している

A!-ID
A Walletはさまざまなサービスと連携しているため、ユーザーは自身の利用するサービス上でシームレスに利用することが可能です。

基本的には、下記に挙げるような「A!-ID」をベースとしたサービス上において利用可能になる予定で、具体的にはNFTの発行や管理、閲覧などができるようになるということです。

・A!SMART(アスマート)

アーティストグッズやCD、DVD等を販売するオンラインショップ。

・LIVESHIP(ライブシップ)

新しいライブ体験を届けるストリーミング配信サービス。

・Amuse+(アミューズプラス)

所属アーティストの動画配信、チケット先行、タイムライン、最新情報などを見ることができるデジタルファンサービス。

・Fan Club

各所属アーティストのファンクラブ。なお、22年12月24日時点でA Walletを実際に接続することができるサービスは「LIVESHIP(ライブシップ)」となっており、その数は今後順次拡大されていく予定だと発表されています。

3-2.ポリゴンチェーンを採用している

A Walletではイーサリアムのセカンドチェーンとして知られる「ポリゴン(Polygon)チェーン」が採用されています。

13年にリリースされたイーサリアムは、その利便性の高さからNFTやDeFiといったさまざまなサービスで活用されている分散型プラットフォームとなっていますが、その一方であまりにも多用されすぎたことをきっかけとして、トランザクション処理が追いつかなくなり、取引に非常に時間がかかってしまうことや、高額な手数料が発生することなど、深刻なスケーラビリティ問題を抱えていました。

そんな中、このような問題を解決するために、イーサリアムのセカンドチェーンとして誕生したのがこのポリゴンチェーンです。ポリゴンはイーサリアム上で行われていた処理の一部を肩代わりすることによってイーサリアムの負担を軽減し、前述したスケーラビリティ問題の解消を可能にしています。このような背景から、ポリゴンは高速なトランザクション処理速度と安価な取引手数料を実現しており、具体的には、イーサリアムが1秒あたりに15件のトランザクションを処理するのに対し、ポリゴンは1秒あたり65,000件のトランザクションを処理するなど、驚異的な速さを誇っています。

A Walletでは、このような性能の高いポリゴンチェーンを採用しているため、今後ユーザーはストレスフリーで高速、且つ安価な手数料での利用が可能になると期待されています。

3-3.利用方法がシンプルでわかりやすい

前述の通り、A Walletはこれまでのデジタルウォレットとは異なり、利用方法がかなりシンプルであるため、誰もが利用しやすいサービスとなっています。

具体的な手順としては、まず初めにA!-IDを作成してログインし、ログイン完了後、A Wallet新規作成画面よりニックネームと画像を登録します。

登録が完了すると、自動的にA Walletが作成される仕組みとなっており、作成が完了したらA Walletで新しいエンタメ体験を楽しむことができるようになります。

④今後の展開

4-1.全く新しいNFT施策の展開

前述の通り、A Walletは現在、A!-IDで利用することができる「LIVESHIP(ライブシップ)」や「A!SMART(アスマート)」、各種ファンクラブなどのさまざまなサービスと連携することで、パブリックチェーン(Polygonネットワーク)上において展開されているNFTコレクションを楽しむことが可能となっています。

NFTは近年、その投資的な側面が特に大きな注目を集めている一方で、広く一般のユーザーにはNFTを保有することの有用性などがまだ十分に浸透していない状況となっています。

そんな中、KlultureではNFTが有する本質的な価値を改めて見直すことで、保有しているだけでエンターテインメントの楽しみ方をさらに拡張することができ、ユーザーに新しい感動を届けられるような、全く新しいNFT施策の展開を目指していくとしています。

そして今後は、多岐にわたるアーティストやプロジェクトのNFT施策を推進すると同時に、さまざまな外部サービスや、新たなNFTマーケットプレイスの開発および連携も視野に入れ、国内ナンバーワンのユーザー数を誇れるような人気ウォレットサービスとなることを目指すと語っています。

A Walletはまだリリースされて間もないにも関わらず、大きな注目を集めているプロジェクトであるため、今後もその動向から目が離せなくなっています。

4-2.第一弾施策オリジナル視聴チケットNFT

Klultureでは第一弾施策として、LIVESHIPおよびAmuse+と連携し、オリジナル視聴チケットNFTの付与をスタートすることを発表しています。

具体的には、12月29日・30日に開催予定の「Amuse Presents SUPER HANDSOME LIVE 2022 “ROCK YOU! ROCK ME!!”」の生配信について、LIVESHIPにおいて販売されている「Amuse+会員限定 特典付き視聴チケット」を購入された方のA Walletへ、オリジナル視聴チケットNFTが付与されるということです。

このオリジナル視聴チケットNFTでは、配信される全3公演がそれぞれ異なるカラーで展開される予定となっており、ライブ配信視聴の楽しみに加えて、視聴の記念をNFTデータとしてA Walletに残すことができる新しい価値を提供するということです。

チケットについては、2022年12月15日12:00から2023年1月6日19:59の期間において、一枚4,000円(税込)で購入することができると発表されています。

なお、同チケット購入に際しての注意点として、Amuse+有料コース(ライトコース または プレミアムコース)への登録が必要であると説明されているため、注意が必要です。

⑤まとめ

A Walletとは、Kultureとその親会社であるアミューズによって共同開発が行われた、新たなデジタルウォレットサービスのことを指します。

A Walletは、これまで問題視されてきたデジタルウォレットの作成における複雑さなどを克服し、A!-IDのみで簡単にウォレットを作成することができる画期的なサービスとなっています。

今後は国内ナンバーワンのユーザー数を目指して全く新しいNFT施策の展開を進めていくとしているほか、直近では第一弾施策として「オリジナル視聴チケットNFT」をゲットすることができるイベントも開催されているため、興味のある方はこの機会にA Walletでアカウントを開設し、連携されているさまざまなサービス上において利用してみてはいかがでしょうか。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12