海外大手の仮想通貨取引所BITMEXが1月16日、ICOプロジェクトチームの独自発行トークンを保有するアドレスに関する調査レポートを公開した。
BITMEXはこれまでICOに関して2017年9月と2018年10月に調査を行っている。2回の調査により、過去にICOで発行されたトークン価格は総額242億米ドルに上るが、現在の価格に換算すると約50億米ドルにまで落ち込んでいることが判明した。価格下落の主な原因として、トークンの市場価格の下落とICOプロジェクトチームが保有するアドレスから15億米ドルの移動があったことを指摘している。
レポートでは、①プロジェクトチームの管理するアドレス宛に発行されたトークンの価格、②価値の損失が大きいトークン、③チームの管理するコイン総量に応じた損失が大きいプロジェクト、③チームの管理するアドレスに残存するコインの価格、④チーム管理のアドレスから移転したコインの価格、⑤チームの管理するトークンの現在価格、⑥プロジェクトチームの独自トークン保有数、の6つが公開されている。
BITMEXでは、データ収集方法にあたってイーサリアムブロックチェーン上のスマートコントラクトとトランザクションパターンを分析し、機械学習の手法を適用することによって各プロジェクトチームアドレスを特定している。しかし、データは確率論的な推定の域を出ておらず、個々のプロジェクトレベルでは不正確な可能性があることには注意が必要だ。
ICOは、IPOなどと比較して容易な資金調達手段として注目が集まり、2017年には多くのICOプロジェクトが立ち上がった。しかし、その実態はプロジェクトの概要を説明するホワイトペーパーで盗用が横行したり、資金を集めたにもかかわらずプロジェクトが頓挫するなど、ICOマーケットの未整備でずさんな側面が目立つものだった。こうした不備を受け、現在さまざまな国でICOのルールづくりが慎重に進められている。
【参照記事】Tracking US$24 billion Of Tokens ICO Makers Allocated To Themselves
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