韓国政府は、同国の全ての公務員に対し仮想通貨の所有や取引を全面的に禁止する方針を発表したことが分かった。公務員の仮想通貨関与を禁じるのは初めてのことだ。3月7日、Cointelegraphが報じた。
現地報道によると、韓国の公務員の人事・倫理・服務などを司る行政機関である人事革新処は「公務員向けの仮想通貨保有と取引に関する情報」と題する文書を公布。仮想通貨取引に関与したことが明らかとなった公務員は、公務員法の定める自制義務違反で懲戒処分にすることを通達した。今回の声明は全ての省が対象で、職務上で仮想通貨に関係することのない職員も処分の対象とされる。適正な処分内容は各省に委ねられるという。
今回の声明発表は2018年1月、金融監督院(FSS)の複数職員が仮想通貨のインサイダー取引に関与した疑惑が浮上していたことが背景にある。韓国では政府内で不祥事が続くだけに、これ以上の問題が発覚するのを未然に防ぐ対策とも考えられる。
韓国は米国と日本に次ぐ世界第三位の仮想通貨市場ながら、その姿勢は不透明なことがしばしばだ。2017年12月には、韓国で仮想通貨を全面的に禁止する法案提出の動きが見られ、仮想通貨市場は世界規模で大きな混乱をきたした。直後に、韓国政府は仮想通貨取引を禁止または抑制する意図がないことを確認した。そうした一方で、今回の発表以前にも、金融委員会(FSC)、公正取引委員会、国務調整室が職員に対し仮想通貨への投資を自制するように警告している。
今後急速に日常生活や金融に普及していくことが予想される仮想通貨を公務員が利用できないとなると、公務員の一市民としての生活、利便性、権利を大きく阻害しかねない決定でもあり、波乱含みだ。
【参考記事】South Korean Government Bans Officials From Crypto Holding And Trading

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