GSG 国内諮問委員会の事務局を務める一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)は5月19日、「日本におけるインパクト投資の現状と課題2022年度調査報告書」を公開した。アンケート調査結果から算出された2021年度末時点の日本におけるインパクト投資残高が5兆8480億円となり、前年度のインパクト投資残高の1兆3204億円から4.4倍と急成長した。
要因として、21年度よりインパクト投資に取り組んでいる既存取組機関において、主に都市銀行や一部の大手アセットオーナーが取り扱うインパクト投資額が3.7倍に増加(22年度調査:4兆9420億8300万円、21年度調査1兆3203億8千万円)したこと、また大手の保険会社や銀行のインパクト投資の新規参入による取組機関総数が1.5倍に増加(22年度46社、21年度1社)したことが挙げられる。ほか、運用額が大きくなりやすい企業への融資や、上場株式投資での取り組みが広がっていることも増加の要因として考えられるという。
調査は、日本におけるインパクト投資の定点観測を目的として、GSG国内諮問委員会の監督のもと、16年度調査報告以降、毎年実施している。金融機関・機関投資家にアンケート形式で行い、22年度の調査期間は22年10月~23年1月。インパクト志向金融宣言に署名している一部の機関については、同宣言の取りまとめの関係から2022年9月末時点のものがある。有効回答数は46組織。
今回は、インパクト投資の課題として挙げられているインパクト測定・マネジメント(IMM)の実施状況をより詳細を把握することを目的に、質問内容を追加。「投資先のスクリーニングやデューデリジェンスに際して、起こりうるネガティブインパクトを評価している」は63%。投資実行後、投資のすべて、もしくは一部について「ネガティブインパクトを定期的に測定している」はそれぞれ19%に留まった。
【参照リリース】日本におけるインパクト投資の現状と課題 2022年度調査
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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