「一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)」は11月11日、システムチェンジ投資の特徴である社会構造の分析・可視化のためのシステム図を共同で作成する「システム思考入門~課題構造探求編」を都内で開催した。
システムチェンジ投資はインパクト投資の発展版で、社会と環境の課題を根本的・構造的に解決する投資のあり方として欧米諸国で注目され始めている。システム図は、システムチェンジ投資の大きな特徴である社会構造の分析・可視化するツール。勉強会のプログラムには有限株式会社チェンジ・エージェントが協力した。
勉強会は、システムチェンジのトレンドや概要についての解説をふまえ、チェンジ・エージェントの日本の根深い社会課題といえる「ジェンダーペイギャップ」がどのように生じるのかを分析・可視化するシステム図を、参加者全員で作り上げるというもの。
対象は、インパクト測定・マネジメントやシステムチェンジを学び、事業活動に取り入れたい投資家、事業者(大企業、スタートアップ)、メディアシステムチェンジの実践者だけでなく、「システムチェンジ」という言葉を知っているが、しっかりと理解したい人、インパクトを志向する投資や事業を始めたい人にも間口を広げ、約20人が参加した。
冒頭、SIIF インパクト・エコノミー・ラボ インパクト・カタリストの古市奏文氏が「システムチェンジの潮流について」として、システムチェンジの概要と国内外のトレンド、システムチェンジのメリットや意義、価値基調となる内容を解説した。
続いて、勉強会の柱である「ジェンダーペイギャップが生じるシステムの分析・可視化ワークショップ」に進んだ。主催者は①従来型思考とシステム思考②システム思考とプロセスの概要③課題を定義する④パターンを見る⑤構造の仮説を立てる⑥働きかけを探る/レバレッジの効いた施策というフローと、交通渋滞やホームレス問題など、具体的でイメージしやすい身近な課題を織り交ぜ、参加者は練習課題に進んだ。
第3部は事例紹介として、SIIFの協働先「はたらクリエイト」の事例、SIIFの投資担当者のシステムチェンジ観などが紹介された。
プログラムは約4時間。参加者は自ら手を動かし、コミュニケーションしながらシステム図を作成していった。SIIFは「システム思考の方法論そのものを学術的に掘り下げることが主目的ではない。インパクトエコノミーやシステムチェンジの意義や価値に気づき、その可能性を感じていただくことがゴール」としている。
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
最新記事 by HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム (全て見る)
- COP30でFAOが農業食料システムの気候変動対策を提唱、資金不足が最大課題 - 2025年11月27日
- 気候変動対策ランキング、日本は57位で「低評価」―米国は65位に急落 - 2025年11月26日
- EU、サステナブル金融の情報開示規則を簡素化へ 3カテゴリー制を導入 - 2025年11月26日
- WBCSDとUNEP、企業向け循環経済の世界初の国際評価基準を発表 - 2025年11月25日
- ISSB、自然関連の情報開示基準策定へ - 2025年11月25日






















