資生堂、初のサステナビリティ・リンク・ボンド発行。26年までのカーボンニュートラル、女性の管理職4割未達なら寄付

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株式会社資生堂は11月11日、サステナビリティ・リンク・ボンド(SLB)を発行すると発表した。SLBは、目標の達成状況に応じて財務的・構造的な特徴が変化する可能性のある債券で、同社として初めての発行。発行予定は今年12月、発行額200億円、発行年限は5年を予定している。主幹事は大和証券、みずほ証券、野村證券。

同社はSLBを「環境・社会領域の重要課題の解決に向けた当社のコミットメントを示すもの」と位置づけ、環境領域の戦略アクションの一つ「地球環境の負荷軽減」および社会領域の戦略アクションの一つである「ジェンダー平等」の実行に向けて重要な評価指標(KPI)とサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲットSPTs)を設定した。

KPIではCO2排出量(Scope1+Scope2)、女性管理職比率の2つを設定、SPTs では2026年までにカーボンニュートラル、同年1月1日までに国内女性管理職比率40%を目標に掲げた。未達成の場合、同社債の償還までに、社債発行額の0.1%相当額を環境保全活動、女性活躍推進、ジェンダー平等を目的とする公益社団法人、公益財団法人、国際機関等に寄付する。SPTsのいずれかが未達成の場合は、社債発行額の0.05%相当額を寄付する。

発行にあたり①KPIの選定②SPTsの設定③債券の特性④レポーティング⑤検証の5つの要素について記載したサステナビリティ・リンク・ボンドフレームワークを策定するとともに、同フレームワークについて、第三者機関である日本格付研究所(JCR)より、国際資本市場協会(ICMA)の「サステナビリティ・リンク・ボンド原則2020」および環境省の「サステナビリティ・リンク・ボンドガイドライン(22年版)」に適合している旨の第三者意見を取得した。

なお、同フレームワークによると、同社のScope1・Scope2 のCO2 総排出量は21年に6万5481トン、国内の管理職のうち37%を女性が占めている(22年1月1日時点)。

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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