積水ハウス株式会社は12月4日、住宅業界におけるサーキュラーエコノミー移行を目指すアクションとして「家がまた誰かの家に生まれ変わる『循環する家』Circular Design from House to House」と題した宣言を打ち出した。住宅に使われるあらゆる部材をリサイクルし、次の家の資源として生まれ変わらせるという試みで、2050年までの実現を目標としている。
使用済みペットボトルを原料として、再びペットボトルを作る「ボトルtoボトル」など、環境負荷を極力減らしたリサイクル方法が、さまざまな業界で始動している。しかし、住宅業界においては困難とされてきた。同社によると、軽量鉄骨戸建て住宅2階建て(延床面積162㎡)の場合、使われる部材は3万点以上に上り、また、さまざまな部材が組み合わさった複合材が多用されていることから分解・分別が難しい。多数のサプライヤーが関係する住宅業界では、「ハウスtoハウス」は実質、不可能とされていた。
「相当広い範囲で部材ごとのリサイクル開発を行い、サプライチェーンの全ての段階を通じて、多くの企業と共に取り組んでいくことが重要」。今回の宣言で、同社は現状からの転換をうたう。さらに、「さまざまな方法で当社の取り組みや構想を世の中に広く発信することで、さらに多くのサプライヤーとの協力体制を築き、住宅業界をあげての取り組みを当社がリードしていく」と力強く表明する。
住宅業界にも素地はあった。2023年12月、取引のあるサプライヤー220社を対象に行った説明会では、「ハウスto ハウス」へ95%の共感、半数以上から連携希望の声が上がったという。このうち、10社以上のサプライヤーと部材の開発や改善など具体的な検討を行っており、株式会社ブリヂストンや大建工業株式会社では既に実際の運用が始まっている。
「ハウスto House」の2050年までの実現へ向け、リサイクル部材(リユース、リニューアブルなどを含む)だけで構成された住宅商品の提供と、持続可能な資源利用を目指し、サプライヤーや大学と協力し、新たなリサイクル部材開発のヒントとなるノウハウの共有、
素材ごとの再利用状況や商品のリサイクル性に対する分析などを進めていく。
同日から同社HPで特設サイトを設置。取り組み概要のほか、コンセプトムービー「つくり方から、つくりなおそう。|『循環する家(House to House)』プロジェクト」を公開し、また、 住まいのサーキュラーエコノミ―への移行のための研究と実践の現場として、サプライヤーや研究機関など視察の受け入れを行っている資源循環センターの見学申し込みを受付中だ。
【関連サイト】「循環する家(House to House)」 特設サイト
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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