全国農業協同組合連合会の子会社「岡山パールライス株式会社」は、エシカル消費の推進、さらには瀬戸内海の環境改善促進を目的として、5つの社会的意義を持つ「晴れの国うまれ 里海米」を6月22日に発売する。

コメとエシカルの関係について、同社はこう説明する。「新型コロナウイルスを発端に衛生用品の買い占めなど不必要な消費が目立ち、その一方で『ムダを出さない』『社会全体へ及ぼす影響を考慮して行動する』など、社会や環境に配慮した行動“エシカル消費”への関心が高まっている。だが、エシカルに特化したサービスや商品はまだ多くなく、日常の消費行動の中でエシカル商品を見つけるのは至難の業」。
確かに、エシカルの概念は多様で、特に食の分野では、環境保全や人体への安全性に言及した商品が多く流通しているが、定義は一定していない。同社は「誰もが気軽にエシカル消費に参加できる」ことを重視、日本人の食生活に欠かせないコメにエシカルを結び付けた。
同県では、生活圏に身近な海、「里海」の瀬戸内海で育ったカキの殻を有効利用する循環型環境保全事業「瀬戸内かきがらアグリ」が行われている。その一環として、カキ殻を土壌改良に活用して育てたエシカルなコメ「里海米」の育成・販売に、JAグループ岡山が主体となり取り組んできた。今回はこの「里海米」に4つの社会的意義を付加、計5つの社会的意義を持たせたエシカル商品としてコシヒカリ、きぬむすめ、朝日の3品種を発売する。
里海米の5つの社会的意義とは、カキ殻の有効活用に加え、食品ロスの軽減、温室効果ガスの軽減、水質汚染の軽減、売上の一部を基金として里海再生活動に活用すること。食品ロスの削減は、コメと一緒に窒素を封入することで鮮度を維持、販売期間を長くすることで廃棄を削減する。温室効果ガスの削減では、パッケージにバイオマス包材を採用。水質汚染の低減は、実は水質汚染の原因の一つとされるコメの研ぎ汁を出さないよう、無洗米加工を施す。
売上の一部は、里海米を購入した際に1商品につき1ポイント付与。「瀬戸内かきがらアグリ基金」に積み立て、瀬戸内海の里海再生活動に活用する。希望小売価格は2キロ1078円(税込)。同社では、里海米の取り扱い企業も募集中だ。

HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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