米通貨監督庁(OCC)は、暗号資産(仮想通貨)関連事業者に対処する銀行サービスの実態について、2020年8月3日までパブリックコメントを実施している。6月4日に発表された規則作成先行公示(ANPRM)によると、AIやビッグデータなど様々なデジタル領域が銀行産業に進出する中、OCCはイノベーションに即して規制を進化させようとしている。
OCCは、米国の国法銀行に対し監督権限を有す財務省の内部機関だ。OCCは銀行やその他の金融機関に対し、現在どのような仮想通貨関連事業者に従事しているか、また顧客のサービス内容が銀行に及ぼす影響について具体的な意見を求めている。
OCCは2018年8月にフィンテック企業による特別目的国法銀行免許(SPNB免許)申請の受け入れを開始することを発表した。これは企業が州単位のマネーサービスビジネス(MSB)登録をバイパスして全国でビジネスを行える利点がある。今回の公示でOCCは、「特別目的国法銀行免許を発行する権限に関するコメントは求めていない」と留意しているものの、将来的にフィンテック企業の流れを追従する可能性も窺える。
OCCはまた、銀行業務における分散型台帳技術の使用状況や、暗号関連領域で認識すべき問題があるかどうか、何か新たな決済技術を認識すべきか、そうした技術の銀行産業に対する潜在的な影響、これらの技術が既存の規制枠組みにおいてどのように管理されるべきか等をヒアリングしている。
この文書に署名したOCCのCOO(最高執行責任者)を務めるブライアン・ブルック氏は、米国の仮想通貨取引所コインベースの法律顧問を務めていた経歴を有している。この公示は、新たなソリューションを従来の金融システムにもたらすため、銀行規制の近代化にブルック氏が真剣に取り組んでいることを示している。
【参照記事】US Bank Regulator OCC Asks for Public Input on Cryptocurrency Use in Financial Sector
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