米ニューヨーク州は、化石燃料などによるマイニングを行う事業者を対象に、二酸化炭素排出量の多いマイナーを対象に、州内の発電所へのアクセスを事実上禁止する法案を提出している。6月9日、仮想通貨とブロックチェーンメディアCoindeskが伝えている。
本法案では、炭素ベースの燃料を使用するマイニング施設の新規および更新許可を禁止するほか、二酸化炭素排出量の増加要因や結果的に増加した場合においても操業許可を発行しないとする内容が盛り込まれている。州は、PoW(Proof of Work:プルーフオブワーク)が導入されているビットコインやイーサリアムのマイニング施設すべてに適用を検討しており、施設の電気消費量や二酸化炭素排出量など環境への影響についてレポート提出を求めるとしている。
ニューヨーク州北部にすでに稼働しているマイニング施設Greenidge Generation社は、カーボンフットプリントエミッションを唱えており、マイニングで発生する温室効果ガスの相殺と再生エネルギーへの貢献を示唆している。同社は、今回の法案の対象外となる見込みだ。
ニューヨーク州は、すべてのニューヨーカーが気候変動に取り組む「Climate Leadership and Community Protection Act(Climate Act)」の目標として、2050年までに温室効果ガス排出量を85%削減を掲げていた。近年、州内の停止している化石燃料発電所がマイニングにより再稼働されている状況を懸念しての試みと考えられる。
今年5月初旬、NY州ケビン・パーカー上院議員により、マイニングにより発生する温室効果ガス排出量が生態系に与える影響の調査のため、3年間マイニングを停止するという議案が提出された。ところが国際電気労働者友愛組合(International Brotherhood of Electrical Workers)が、この法案は組合員にとって不公平だと反発したことで、否決されている。
【参照記事】New York State Senate Approves Watered-Down Bill Targeting Bitcoin Mining Emissions
HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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