ナスダック代表取締役であるAdena Friedmanは1月20日、Linkedinにて「革新と混乱の新しいチャプターが2019年に綴られる」と題した記事を公開し、仮想通貨はいまだにグローバル通貨になりうるとの見解を示した。
同氏は、ビットコインが誕生してからの今に至る10年は古典的なライフサイクル理論において第一フェーズを完了したところだと述べ、仮想通貨の今後について「確実で持続的な商業的進捗とインターネットとの融合によって実用性が認められるか、普及に失敗、もしくはセグウェイのように商業的用途が限られる中で利用されるにとどまるかのどちらかに帰結するだろう」としている。
これまでにナスダック、IBM、日立など、世界でも有数の大企業や投資家たちが仮想通貨やそれに関わる技術のイノベーションに参入し、多額の資金を投入してきた。しかし、同氏はこうして生まれる発明自体は単なるデモンストレーションに過ぎず、経済においては持続可能な未来を見つける必要性があるという。
仮想通貨技術の実用に向け、同氏は分散型で統治不能な仮想通貨の性質に背いていることを理解しながらも、「ガバナンスと規制の明確化」こそが重要な要素であるとしている。また、ナスダックの技術を仮想通貨取引所に提供していくことで、仮想通貨投資家が安心できる透明性と公平性を担保する支援を行っていくとした。
また、こうした流れの中で機関投資家向けの現物・先物取引を提供するErisXに投資を行ったこと、規制や普及の範囲によって左右されるものの「今年は仮想通貨にとって重要な年だが、ナスダックはデジタル通貨が将来的に何らかの役割をもつようになると考えている」と見解を述べている。
【参照記事】New chapters in innovation and disruption will be written in 2019

HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム

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