三菱重工業株式会社は10月30日、グリーンボンドを発行すると発表した。発行のため、同日に社債の訂正発行登録書を関東財務局長に提出した。脱炭素化社会の実現に向けた環境課題を解決し、SDGs達成に貢献することを目的に掲げる。同社にとって初のグリーンボンド発行で、再生可能エネルギー・クリーンエネルギー事業に関連する資金調達を目的に、国内公募形式とする。主幹事は三菱UFJモルガン・スタンレー証券、SMBC日興証券、みずほ証券、野村證券、大和証券、メリルリンチ日本証券が務める。年限、発行額、時期はいずれも未定。
三菱重工グループは、気候変動対策の国際的な枠組み「パリ協定」が長期的なゴールと位置づける「脱炭素社会」の実現に向け、企業・団体がチャレンジするイノベーションのアクションを国内外に力強く発信し後押ししていく、新たなイニシアティブ「チャレンジ・ゼロ(チャレンジネット・ゼロカーボンイノベーション)」の「チャレンジ・ゼロ」宣言に賛同するなど、環境への取り組みを推進している。
脱炭素化社会の実現への取り組みとして、本発行の資金使途である再生可能エネルギー/クリーンエネルギー事業(風力発電設備/事業・水素発電設備/事業・地熱発電設備/事業)を推進することで環境改善効果をもたらし、国際連合が定める持続可能な開発目標(SDGs)の目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」の達成に貢献するとしている。
グリーンボンドの発行にあたり、国際資本市場協会(ICMA)のグリーンボンドガイドラインに定められている4つの要素(調達資金の使途、プロジェクトの評価と選定、調達資金の管理、レポーティング)に関する方針を記載した「三菱重工業株式会社グリーンボンドフレームワーク」を策定。グリーンボンドの適合性評価については、国際資本市場協会(ICMA)による「グリーンボンド原則2018」および環境省「グリーンボンドガイドライン2020年度版」に適合している旨を、第三者機関のSustainalytics(サステイナリティクス)社からセカンドパーティ・オピニオンを取得した。
発行について、同社取締役執行役員CFOの小澤壽人氏は「グリーンボンドの資金使途は、脱炭素社会に向けた環境課題に対応するもので、バランスの取れたエネルギーインフラの提供を通じて社会に貢献できると考えている」とコメントを発表した。
一方、同社が同日に発表した新中期経営計画「2021事業計画」は、半年前倒しでの策定。新型コロナの影響、火力事業の環境変化、民間航空機分野の戦略見直しなどを踏まえ2018事業計画を大幅に見直し、計画の柱の一つだった国産小型ジェット旅客機」の開発を一時停止。変わって、成長領域の開拓として「エナジートランジション」と「モビリティ等の新領域」を筆頭に、新計画の期間中で1800億円を投資、2030年度の1兆円規模への拡大を目指す方針を打ち出した。
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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