決算事業大手のMastercardは9月11日、エンタープライズ向けのブロックチェーンソフトウェア企業R3と提携、ブロックチェーン基盤のクロスボーダープラットフォーム開発を行うことを発表した。
発表によると、MastercardとR3は、新プラットフォームの開発及び試験を行うための戦略的パートナーシップを締結した。両社は、高速決済を可能にするインフラストラクチャーとスキームに焦点を当てた、銀行優位のブロックチェーン基盤のクロスボーダープラットフォーム開発に着手するという。
R3は金融機関向けの分散型台帳技術「Corda」を提供するソフトウェア会社である。Cordaのエコシステムは世界300件を超える大手金融サービス企業、テクノロジー会社、中央銀行、規制当局や業界団体まで広い範囲を網羅している。Mastercardは今年7月、米オンライン送金業Transfastを買収しており、Cordaのエコシステムとの統合によりクロスボーダー決済の強化を目指す計画だ。
両社は、Mastercardの知名度および既存の決済資産とR3のブロックチェーン専門知識が組み合わせることで、決済手数料、流動性の管理、国内清算と銀行間における標準規格・プロセスの欠如など様々な問題解決を目指す考えだ。Mastercardは今月3日、R3とTradeIXが立ち上げた分散型台帳基盤の貿易金融ネットワーク「マルコポーロ」にも参画している。昨今Mastercardはデジタルトランスフォーメーションに注力しており、決済分野でも注目が集まっている。
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HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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