丸紅、循環型食器「edish」の実証実験開始。使用後は飼料や肥料になる“食器のアップサイクル”実現へ

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丸紅株式会社は食品廃材を原料とし、何度でも生まれ変わることができる“循環型食器”「edish」(エディッシュ)の実証実験を8月11日から開始すると発表した。今後事業化を検証し“食器のアップサイクル”で「食」を起点にした循環型社会の実現を目指すとしている。

エディッシュは同社のビジネスプランコンテストから誕生した、環境に負荷をかけない循環型食器。これまでほとんど用途がなかった食物の皮や芯などの食品廃材を独自の技術で食器に成型し、飲食店に提供する。使用後は食器を回収し、工場で粉砕・乾燥。その後、飼料や肥料などへ加工し、畜産事業者や肥料事業者に提供するというアップサイクル・プロセスの実現を目指す。また、料理を食べ終わった後、客が自らエディッシュを回収BOXに入れてもらうことで、環境に配慮した循環型社会への参加意識も醸成していく。

今回の実証実験では、外食チェーンの株式会社ゼットンの協力により8月11日から10月31日まで、ユーザーの検証および循環サイクルの検証を実施する予定。飲食店や客からのフィードバックによる細かなサービス改善を重ねながら事業化を検討していく「オープン型」の実証実験と定義している。

第一弾は、小麦ブラン(小麦の皮)を原料として、“つぶして回収する”という特徴をもったボウル容器と平皿、深皿の計3種類を製品化。回収後には、公園内での肥料化を目指す。実験の実施店舗は、葛西臨海公園の「CRYSTAL CAFÉ」と同園内のバーベキュー広場。

同社は「エディッシュの導入は、食品廃材のアップサイクルによる環境改善だけでなく、「ニューノーマル時代」の飲食事業者に対しても様々な効果をもたらす」とうたう。ひとつは衛生面。1回使ったら回収して粉砕するため、洗い残しなどの心配がなく、いつでも安心・安全な飲食体験を提供できる。2点目はブランド訴求効果。テイクアウト向けのサービスが拡大傾向にある中、 “使って回収する”というアクションも提供することで、テイクアウトを通じて環境問題を考えるきっかけをつくりだすなど、差別化が図れるという訳だ。

今後の商品拡大を目指す上で①ecological(生分解の早さで自然環境と調和させる)②ethical(企業価値イメージの向上に寄与するブランドへ)③economical(紙やプラスチックより安価な食品廃材の活用)を特徴に掲げ、小麦ブランのほか、ミカンの皮や使用済み茶葉、コーヒーの豆かすなども原料にするため研究を重ねていく。また、タンブラーやフォーク、スプーンなどの食器への加工も実験中という。8月1日からシリコンバレー発・体験型店舗の「b8ta Tokyo – Shinjuku Marui」で展示・販売を行っている。8月中旬から公式サイトで小麦ブランの食器の一般向けサンプル品を販売開始予定。購入者のフィードバックを得ながら商品・サービス改善を行っていく。

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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