水回り品、建材製品メーカーの株式会社LIXILグループは10月29日、資源循環型社会の実現の貢献を目的とした「LIXIL プラスチック行動宣言」を発表した。製造過程で発生する CO2 や、使用後の廃棄が世界的に懸念されるプラスチック問題に向き合うため、今後は同宣言に基づき、国内外のLIXILグループの全工場および事業所で、事業プロセスや製品・サービスを見直し、使い捨てプラスチックの使用量削減や、リサイクルの推進をはじめ、再生可能な素材の研究開発や代替素材の活用などを加速させていく。
同グループでは、コーポレート・レスポンシビリティ(CR)戦略における 三つの優先取り組み分野の一つに「水の保全と環境保護」を掲げ、プラスチック問題に対しても様々な事業を展開してきた。今回の行動宣言に基づき、プラスチック削減に向けた活動の効果を最大化するため、各地域の事業所や開発部門とも連携しながら、個別施策と目標の設定を行う。さらに、様々な地域やブランドが実施してきた活動の実績やノウハウをグループ全体で共有し、循環型社会の実現に向けて、これまで以上に活動を強化する方針。
社長兼CEOの瀬戸欣哉氏は「LIXILグループは循環型経済(サーキュラー・エコノミー)の実現に向け、環境に配慮した事業プロセスや製品・サービスを通じて、2050年までにCO2の排出量を実質ゼロにすることを目指している。原材料の調達から廃棄に至るまで、すべての工程における環境負荷の低減に取り組んでおり、行動宣言の策定は、こうした環境活動をさらに加速させるもの」とコメント。
宣言に基づき「イノベーションを通じてプラスチックを含む資源の有効活用と環境負荷低減を図るため、全社における活動を推進する体制をさらに強化していく。当社の環境負荷を低減するソリューションは、世界中の人びとのより豊かで快適な暮らしの実現に貢献すると確信している」と述べた。
具体例として、同社の「GROHE(グローエ)」ブランドは、2018 年から「Less Plastic Initiative(プラスチック削減イニシアティブ)」を推進し、製品パッケージにおける代替素材の切り替えを進めている。20年9月までに約 2100万個のプラスチック製品パッケージの削減に成功、21 年には3500万個に到達する見込みとなっている。
また、キッチン水栓から直接冷水と二種類の炭酸水を楽しめ、ペットボトル使用量削減に繋がる「GROHE Blue」 など製品を通じたソリューションの提供、海や河川のプラスチック廃棄物の削減を目指すプロジェクト「Pacific Garbage Screening」への支援などを継続している。
さらに、昨年グローバル展開の拡大を発表した「INAX」ブランドでは、世界市場向けに販売するハンドシャワー「Aqua POWER Showerhead」のパッケージに紙を採用、大幅なプラスチック削減に成功したという。毎年10 月に全世界の従業員が様々な地域貢献活動を行う「LIXILコミュニティデー」という全社プログラムを2017年から導入しており、今年度はその一環として、非営利型一般社団法人Social Innovation Japanと協力、ペットボトルの消費を減らすことを目指す「mymizu challenge」という活動を実施している。
社内では、従業員への意識付けのため、マイボトルを用いた給水を実践、「mymizu アプリ」に給水量を登録するという企画には国内外から約 2500 名の従業員が参加し、2万5000本以上のペットボトルを削減した。
【参照リリース】株式会社LIXILグループ『持続可能な循環型社会の実現に向けて全世界共通の「LIXILプラスチック行動宣言」を策定』
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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