暗号資産を担保に法定通貨やステーブルコインを借りる、暗号資産レンディング市場が急速に成長している。世界の金融市場に対する暗号資産の影響力は、クレジット市場への浸食という形で拡大する可能性がある。2月14日、株式分析・金融ニュースメディアSeeking Alphaが伝えている。
分析企業CredMarkの昨年12月の報告によると、2018年に誕生した暗号資産クレジット市場は2019年9月までにローン組成額が4億ドル以上となり、担保とされた暗号資産は105億ドルを超えた。暗号資産担保ローンの累積組成額は2022年までに250億ドル以上に到達すると予測されている。
暗号資産のレンディングは、銀行等の金融機関を通さずに資金を必要とする個人と資金を貸したい個人を結び付けるサービスだ。借り手は暗号資産を担保にローンを申請し、貸し手はそれを評価して承諾する。CredMarkによると、貸し手は過去2年弱の間に平均6%の利息を獲得してきた。代表的な暗号資産レンディング事業者BlockFiは、ビットコインやイーサリアムを担保として受け入れ、貸し手に最大6.3%の年利を提供している。
しかし、借入金額と利息は担保となる暗号資産の実勢価格に基づくため、担保とする暗号資産価格の急落によって利用者が多大な損失を被ることを懸念する声もある。ブルームバーグは昨年10月、暗号資産レンディング市場では信用調査が欠けているため、信用格付けが低い人々が暗号資産レンディングに流れ込み、将来的に信用バブルにつながると指摘していた。
より多くの人々が暗号資産を使用してレンディングプラットフォームにアクセスする事になれば、世界のクレジット市場をディスラプト(破壊による変革)する可能性がある。一方で、暗号資産レンディングにはリスクも存在するため、利用者は不安定な暗号資産の価格変動リスクを考慮する必要があるだろう。
【参照記事】FinSA/FinIA: follow-up regulation by FINMA
【参照記事】Another Credit Bubble Grows: the $5 Billion Crypto-Loan Market
【参照URL】The Crypto Credit Report
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