ビットコイン市場は、2月1日にインド国会での予算演説の中で行われたArun Jaitley財務相の仮想通貨に関する新たな規制のコメントに敏感に反応した。同日、Cointelegraphが報じた。
Jaitley氏はスピーチで、仮想通貨は法律上認められていないとし、仮想通貨を含む「違法行為」の取り締まりを約束した結果、主流の報道機関とソーシャルメディアで、全面的な禁止を予測する誤った情報が氾濫した。Bitstamp(ルクセンブルク)の発表によるとビットコインの相場は1月31日の10,300米ドルから翌日2月1日には9,512米ドル以下に落ち込んだ。
インドは、過去2年間に渡り仮想通貨規制を正式なものにする試みを散発的に行ってきた。同国の通貨リフォーム以来、ビットコインへの関心は特に高まっており、地方の取引所は大幅な成長を記録している。
同時に、インドの中央銀行は仮想通貨への投資に対する警告を繰り返し行っており、なかには仮想通貨を違法同然とみなすような発表もあった。予算演説で、Jaitley氏は「政府は仮想通貨を法貨と認識しておらず、違法行為の資金繰りや決済手段としてのこれら仮想資産の使用を排除すべく、あらゆる措置を講じる予定である。」と述べた。
Jaitley氏の演説では仮想通貨の合法性についての明言は避けられたが、第三者や主流メディアの記者は禁止が差し迫っているとの見方を主張した。Quartzでは「Arun Jaitleyはインドの仮想通貨の活況に水を差した」と報じ、「法的な仕組みや、既存の法律の適切な改正により、仮想通貨の取引や流通が違法にされ、取引や流通に関与する企業や個人が罰せられる。」と続けた。Twitter上でも、Jaitley氏の発言は注目され続け、ビットコインの「違法」宣言が行われ、間もなく「排除」されるとの憶測が広がった。
Jaitley氏が以前インド政府の取り組みに沿い、「インド政府は、デジタル経済を推進すべく積極的にブロックチェーン技術を利用することを模索する。」と国家レベルでのブロックチェーン技術の使用拡大方針を述べた際には、大きな驚きはなかった。
1月には韓国政府の朴相基(パク・サンギ)法相が仮想通貨の取引を禁止する法案を用意していることを明らかにし、相場が急落した直後に文在寅(ムン・ジェイン)大統領の報道官が「近い将来、仮想通貨取引が禁止されることはない。」と180度の方針転換を行い、市場は振り回された。
13億人が暮らしIT立国として進境著しいインドの仮想通貨に対する政策は、長期的に大きな影響を及ぼしかねず、引き続き注視していく必要がある。
【参考記事】India: Bitcoin Prices Drop As Media Misinterprets Govt’s Regulation Speech
【関連ページ】ビットコインとは?特徴・仕組み・購入方法(BTC)
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