日本のインパクトファイナンスの質的・量的な拡充とインパクト志向の金融経営を推進することを目的とする「インパクト志向金融宣言」で、事務局の一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)は8月3日、2025年までの中期計画を策定、発表した。先進事例の収集・研究およびインパクト指標・指針の開発、インパクトファイナンスを実践する人材の育成などを盛り込んでいる。
計画の策定とともに、地域金融分科会、ソーシャル指標分科会、VC分科会、AO/AM分科会、同宣言の活動を横断的に加速させるIMM(インパクト測定・マネジメントワーキング)企画チーム、海外連携企画チーム、定義・算入基準検討チームが体制整備された。これらの分科会やチームが主導する形で海外の最新動向やフレームワークを署名機関内で紹介するとともに、具体的な先進事例の収集、上場株式市場におけるインパクトファイナンスの推進、IMMや開示における好事例の共有、社会性指標の開発、基準や指針の整備、コンセプトの開発に注力していく方針。
また、環境・社会課題の解決を目指すインパクトファイナンスについては、金融機関としての知見はもとより、それらに興味関心を抱く多様な人材の確保や育成が課題となっており、同宣言ではこれについても取り組んでいく。
同宣言は21年11月、日本のインパクトファイナンスの質的・量的な拡充およびインパクト志向の金融経営を推進することを目的として発足。62社の署名機関、9の賛同機関(今年8月現在)があり、今月1日には熊本県の肥後銀行企業年金基金が、企業年金基金として初めて署名した。署名の動機として「現在の投資活動に『インパクト創出』の視点を加え、年金資産の長期的な持続的成長と社会環境課題解決を年金基金の運用を通じ目指す」としている。

HEDGE GUIDE編集部 ESG投資チーム

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