株式会社Gincoは2月12日、規制に準拠した安全なブロックチェーン技術の社会実装実現のため、2020年6月頃までを目処に施行が予定されている改正金融商品取引法に準拠した電子記録移転有価証券表示権利等(セキュリティトークン)を保管するカストディシステムの開発・提供を開始する。
日本では2019年に資金決済法・金商法の改正案が可決され、暗号資産デリバティブやセキュリティトークンに係る法整備が進んでいる。この改正法施行に向けて同法の実運用に向けた内閣府令の素案では、ブロックチェーン上で暗号資産や電子記録移転有価証券表示権利等を取り扱う場合、顧客資産を保護するために仮想通貨取引所と同様の安全管理措置(コールドウォレット等)を設けることが示されている。金融領域でのブロックチェーン活用において、コールドウォレットでの分別管理は安全性を左右する重要なポイントだが、新たにセキュリティトークンを取り扱うことになる証券会社や信託管理事業者にとっては、実務上の大きな負担となることが予想されている。
同システムは現在Gincoが仮想通貨取引所に対して提供している業務用ウォレット技術を応用することで、100%のコールド管理や業務用API等を利用した業務効率化を実現し、新たにセキュリティトークンを取り扱う事業者の管理負担を削減するものだ。同社のシステムは、100%コールドウォレット保管が可能な他、用途や管理者、組織体制に応じ柔軟に秘密鍵を分散し署名が可能で、鍵保管部、鍵利用部、送金申請部、業務管理部にわたる徹底した相互牽制・権限分散を実現するなど徹底したセキュリティが特徴となっている。また、署名処理を効率化する独自技術(特許出願中)、日別残高やウォレット別残高の管理・分析ダッシュボード機能、監査ログのエクスポート機能により業務に最適化した使いやすさも実現されている。
Gincoは今後、セキュリティトークンを取り扱う発行プラットフォームや証券会社、信託管理事業者への提供を予定しており、2020年6月頃までに行われる改正資金決済法・改正金商法の施行に向けて開発していく狙いだ。
HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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