金融庁は26日、2019年6月24日に金融庁共用第一特別会議室で開催された「決済高度化官民推進会議(第7回)」の議事録を公開した。同議事録では、参加した花王<4452>、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>(MUFG)の三菱UFJ銀行、ヤフー<4689>の各委員が暗号資産(仮想通貨)について言及したことが明らかとなった。
議事録によれば、花王の会計財務部門管理部長である牧野秀生氏は、仮想通貨について「個人的な夢みたいな話だが」と前置きしたうえで、「例えば、花王コインなどを作って、為替損益が発生しない、もしくは最低限になるというようなことができれば、我々だけではなく、様々な会社でもそうしたことを導入したいと考えられるのではないか」との考えを明らかにした。
また、三菱UFJ銀行の執行役員デジタル企画部長の大澤正和氏は、MUFGのデジタル通貨構想「MUFGコイン」など、キャッシュレス化に向けた取り組みについて語った。「MUFGコイン」について、同氏は「キャッシュでは表現できない価値のあるデジタル通貨の世界はやはりあるだろうと考えており、競争領域の一部として取り組む価値はある」として、「金融機関としてのデータ利活用のあるべき姿を検証していくためにも、何とかリリースにこぎ着けたい」と話したようだ。
さらに、ヤフーの執行役員兼政策企画統括本部長である中谷昇氏は、仮想通貨リブラを踏まえ、「健全な形で我が国における決済の高度化が進むようにするためには、1つの国に2つの制度がないようにする必要がある」と指摘。「海外事業者が展開するサービスに日本の法制度が適応できていない場合が散見される」ことが利用者保護の観点からも問題であるとして、こうした点について、金融庁にしっかりと監視するよう要請した。
【記事提供】 株式会社フィスコ
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