仮想通貨取引所のFATFトラベルルール対応で日本、韓国、シンガポールがリード

2020年6月に、FATF(金融活動作業部会)は各国の仮想通貨取引所が「トラベルルール」に準拠しているかどうか、12か月間のレビューを開始する。専門家の見立てでは、韓国やシンガポール、日本などのアジア圏でトラベルルールの対応が進んでいるという。仮想通貨とブロックチェーンのニュースメディアCointelegraphが5月15日、伝えている。

2019年6月に、マネーロンダリング対策を推進する政府間機関FATFは仮想通貨に関する勧告を公開した。「トラベルルール」と呼ばれる金融機関に対する個人情報管理規定が仮想通貨取引所にも適用され、国内外の仮想通貨交換業者は送金者と受取人の情報を交換するよう推奨された。取引所は今まで「仮想通貨アドレス」だけを用いて送金できたため、通信標準と取引所インフラの整備が必要となっている。

CoolBitXは、トランザクションの送受信者のIDを取引所間で通信できるトラベルルール対応のソリューション「Sygna Bridge」を開発している企業だ。Sygna Bridgeは最近、テロや麻薬の密売に関与した名簿に対する取引を検出する国境間送金テストで有効性を示した。

CoolBitXの創設者であるマイケル・オウ氏は、「アジアが(暗号資産)業界を変える道を歩んでおり、世界の他の地域に青写真を示すかもしれない」とCointelegraphに語った。シンガポールと韓国は、仮想通貨をそれぞれの決済サービス法に盛り込み、仮想通貨取引所のライセンス制を導入し、特定金融取引情報のレポーティングと管理を義務付けた。韓国では罰則規定も設けている。

オウ氏は日本も仮想通貨取引所の規制において重要な役割を担うと見ている。日本では、野村ホールディングス、SBIホールディングス、楽天グループなどの金融機関が暗号資産市場に投資している。まもなく発行予定のFATF第4次対日相互審査結果は、FATF勧告に対する日本のVASP(バーチャル・アセット・サービス・プロバイダー)のコンプライアンスにも焦点を当てている。多くの国が日本の規制当局をデジタル資産導入の最前線と見なしているので、「FATF勧告に準拠するために日本が導入する措置は、他国にとって参考になる」とオウ氏は加えた。

FATFの2020年3月の報告によると、米国の仮想通貨取引所は勧告に準拠しており、カナダでもデジタル資産の監督機関による規制強化が認められた。オウ氏によると、明確な規制がない国の仮想通貨取引所はトラベルルールへの対応が遅れる傾向がある。仮想通貨のグローバルな特性を鑑みると、足並みを揃える必要がある。

【参照記事】Asian Countries Leading the Way for FATF Travel Rule


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