欧州委員会は9月末、アフリカ大陸における再生可能エネルギーの拡大を加速させるため、5億4,500万ユーロの追加資金支援を発表した。資金はEU加盟国と複数の金融機関から成る「チーム・ヨーロッパ」によって提供され、家庭や学校、病院などへの電力供給を支援するとともに、数千人規模のグリーン雇用を創出することを目指す。
この支援は、欧州委員会と南アフリカ共和国、国際NGOグローバル・シチズンが共同で推進する「Scaling up Renewables in Africa」キャンペーンの一環である。同キャンペーンは2024年11月のG20リオデジャネイロ・サミット直前に発表され、1年間実施される予定で、2025年11月に南アフリカ・ケープタウンで開かれるG20サミットで締めくくられる。
アフリカは世界の優良な太陽光資源の60%を有しながらも、世界のエネルギー投資の3%しか受けておらず、約6億人(主にサハラ以南アフリカ)が依然として電力にアクセスできない。大陸全体の再生可能エネルギー設備容量も70.8ギガワットにとどまっている。
また、欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長と世界銀行グループのアジェイ・バンガ総裁は、2025年3月に「Mission 300」イニシアチブとの連携を発表した。これは世界銀行とアフリカ開発銀行が主導し、2030年までに3億人に電力を供給することを目標とする包括的なプログラムで、発電・送電・配電からクリーンな調理方法の普及までを対象としている。
EUはすでに「グローバル・ゲートウェイ投資パッケージ」を通じてアフリカに1,500億ユーロ規模の投資を支援しており、2030年までに少なくとも50ギガワットの新規再生可能エネルギー発電容量を展開し、1億人以上に電力を提供することを目指している。
【参照サイト】Energy for Africa

HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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