金融庁、サステナビリティ保証制度の詳細案を公表 国際基準に整合した保証業務実施者の登録制度を提案

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金融庁は10月30日、金融審議会サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループの第9回会合を開催し、サステナビリティ情報に対する第三者保証制度の具体的な枠組みについて提案を行った。投資家保護と国際的な信頼性確保を両立させるため、国際基準に準拠した保証業務実施者の登録制度の創設を軸とした制度設計を示している。

サステナビリティ保証業務実施者については、国際サステナビリティ保証基準(ISSA5000)、品質管理基準(ISQM1)、倫理・独立性基準(IESSA)と整合性が確保された基準に準拠して業務を実施することを求める。監査法人に限定せず、要件を満たす法人であれば登録可能とする「profession-agnostic」の考え方を採用し、将来にわたって十分な担い手を確保できる制度設計を目指す。

登録要件としては、サステナビリティ保証に必要な専門的知識・経験を有する業務執行責任者の設置、品質管理体制の整備、一定の財産的基礎などを求める。行為規制については、守秘義務、ローテーションルール、非保証業務との同時提供禁止など、国際基準で求められる義務の遵守を義務付ける。

SSBJ基準の適用開始時期については、時価総額1兆円未満5,000億円以上のプライム市場上場企業は2029年3月期からとする方針を示した。適用対象企業の判断基準は、過去5事業年度末における時価総額の平均値とする。第三者保証が付されている場合の有価証券報告書の提出期限延長については、実施しない方向性を提示した。

検査・監督については、当面の間は金融庁が主体となって実施する。サステナビリティ情報の開示・保証実務が発展途上にあることを踏まえ、実務の蓄積を見ながら、将来的な自主規制機関のあり方について検討を進める考えだ。

任意の保証については、SSBJ基準に基づく情報に対して登録業者が保証基準に沿って実施した場合に限り、有価証券報告書への保証報告書の添付を認める方針を示した。要件を満たさない場合は、投資家の誤認を防ぐため、保証業務実施者の名称や準拠した基準などの情報開示を求める。

金融庁は2026年1月中の公布・施行を目指し、11月中にも改正案のパブリックコメント手続を開始する予定だ。

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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