環境省は12月12日、「グリーンボンドガイドライン改訂版(案)」「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン(案)」をホームページで公表、併せてパブリックコメントの募集を開始した。募集期限は1月10日まで。
改訂案には「サステナビリティボンド」に関する解説や、「投資家に望まれる事項等」を追加した。エンゲージメントの実施や投資家への説明事項など、投資家との関係の在り方についても記載している。グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドラインは、ローン・マーケット・アソシエーション(LMA)などによって2018年に策定されたグリーンローン原則、19年に策定されたサステナビリティ・リンク・ローン原則との整合性に配慮した内容とした。
パリ協定(2015年策定)で掲げられた「2℃目標」や持続可能な開発目標(SDGs)を踏まえ、脱炭素社会及び持続可能な社会の実現に向けて、民間資金を動員するグリーンファイナンス、ESG金融の活性化が急務となった。世界的な潮流を受け、同省のグリーンボンドガイドラインは2017年3月に策定。市場関係者の実務担当者向けに、グリーンボンドの環境改善効果に関する信頼性の確保と、発行体のコストや事務的負担の軽減との両立につなげ、国内のグリーンボンドの普及を図った。
策定から約2年が経過し、その間にICMAによるグリーンボンド原則の改訂や、グリーンボンド発行事例の増加に伴う実務の進展等の状況変化が生じている。改訂版はグリーンボンド原則との整合性や国際的な目線と協調のとれたガイドラインとして、日本のグリーンボンド市場の健全な拡大を推進していく指標と位置づける。
グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドラインは、グリーンローンは、環境改善効果がある事業「グリーンプロジェクト」に対しては、債権だけでなく融資による資金供給も重要で、国内で広がる余地があるとして策定。特にサステナビリティ・リンク・ローンガイドラインは「借り手のサステナビリティ経営の高度化をコーポレートファイナンスと結びつけるもので、脱炭素や持続可能な社会の実現に向けて取り組む企業などの事業活動への民間資金の導入の有効なツールとなり得る」との見地から、今年7月から有識者による「グリーンボンド・グリーンローン等に関する検討会」が検討していた。
【参照リリース】グリーンボンドガイドライン改訂版(案)、グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン(案)に関する意見の募集(パブリックコメント)について
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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