国内初、規制のサンドボックス制度により安全・透明性の高い仮想通貨決済システムの実証実験を開始

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日本政府は「規制のサンドボックス制度」の対象として、仮想通貨の新たな決済システムを開発したCrypto Garage(クリプトガレージ)社を認定した。1月21日、同社のプレスリリースにより発表されている。規制のサンドボックス制度の認定は本件で3件目であり、フィンテック関連事業としては今回が初めてだ。

同社は実証実験を通じて、サイドチェーン上の財産的価値の記録と取引の安全性および、価格形成の透明性向上等により安定的かつ公正な仮想通貨の相対取引市場の形成可能性を検証していく。本実証実験の期間は1年間に限定されており、参加事業者は国内登録済み仮想通貨交換業者数社、取引限度額の設定も行われる予定だ。

現在の仮想通貨市場の課題として、仮想通貨交換業者等の事業者間の取引市場には、交換業者のカバーマーケットが確立しておらず流動性・価格面などで不安定な状況が発生しやすいこと、共通の決済基盤・取引基盤がなく流動性や信用リスクなどの問題が起きていること、顧客情報が一極集中することによるセキュリティの問題、などが挙げられていた。

サンドボックス制度とは、地域や期間限定で現行法の規制を一時的に停止して、新技術を実証できる制度だ。この制度により、ドローン飛行や自動運転といった最先端技術の実証実験も、既存の規制の適用を受けることなく円滑に進めることができる。サンドボックス制度では、得られたデータを活用したさらなる技術革新の促進や規制改革にもつなげる狙いがある。

政府が仮想通貨に関連したフィンテック事業を認定したのは今回が初めてで、仮想通貨市場が低迷を続ける中、仮想通貨業界への期待の高さがうかがえる。しかし、経済効果を期待されるキャッシュレス普及の布石になりうる仮想通貨は、政府の期待とは裏腹に決済手段というよりも投機対象のイメージが定着しつつある。今回の実証実験は仮想通貨技術が広く普及するための正念場でもある。仮想通貨市場ブームの再燃はあるのか、注目していきたい。

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HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム

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