米ゼネラル・モーターズ(ティッカーシンボル:GM)の電動商用車部門であるブライト・ドロップは1月5日、米小売り大手のウォルマート(WMT)および米物流大手のフェデックス(FEX)より配送用電動バンを新規受注したことを発表した(*1)。
ウォルマートとは、主力の電動バン「EV600」と小型電動バン「EV410」を合計5,000台予約する契約を締結した。従業員が生鮮食品などを顧客宅の冷蔵庫に届ける「インホーム・デリバリー」サービスを拡充すべく、これらの電動バンを活用する計画だ。ウォルマートは5日、同サービスを提供するエリアを年末までに現状の600万世帯から3,000万世帯に広げるとともに、電動配送車の数を増やすことを明らかにしていた(*2)。
一方、ブライト・ドロップの初めての顧客となったフェデックスは、向こう数年間で2,000台を購入する契約を結んだ。これは昨年に500台を予約(5台納車済み)したのに続くものであり、条件次第で最大2万台に増やす計画を進めているという。
ウォルマートとフェデックスの両社は、2040年までにゼロエミッションの配送車両にするという目標達成に向けて、ブライト・ドロップより電気自動車(EV)の購入を推進している。また、ブライト・ドロップのEVはガスを燃料とする自動車と比較してコストを約75%節約できる。
ブライト・ドロップのトラヴィス・カッツ最高経営責任者(CEO)は、現在2万5,000台の予約があり、今年にフェデックスから最初に受注した500台の納入を完了し、来年にウォルマートへの納車を始めるとの見通しを示した(*3)。
また、フェデックス米州部門のリージョナルプレジデントを務めるリチャード・スミス氏は「2040年までにカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の実現に向け、配送車の電動化を全力で進めている」と述べている(*2)。
ブライト・ドロップの競合他社も受注を拡大している状況だ。たとえば、英国を拠点とする新興EVメーカーのアライバル(ARVL)は、米物流大手のUPS(UPS)より電動商用車1万台を受注した(*4)。また、米車両メーカーのオシュコシュ(OSK)は米国郵便公社(USPS)へ向こう10年で16万5,000台のEVを納入する予定である(*5)。
今後も環境にやさしい自動車の開発・利用が進むことに期待したい。
【参照記事】*1 ブライト・ドロップ「BrightDrop Announces Walmart as New EV Customer and Expands Collaboration with FedEx at CES」
【参照記事】*2 CNBC「Walmart and FedEx sign deals with GM for thousands of new BrightDrop electric vans」
【参照記事】*3 ウォルマート「Walmart To Expand InHome Delivery, Reaching 30 Million U.S. Homes in 2022」
【参照記事】*4 アライバル「UPS invests in Arrival and orders 10,000 Generation 2 Electric Vehicles」
【参照記事】*5 米国郵便公社「U.S. Postal Service Awards Contract to Launch Multi-Billion-Dollar Modernization of Postal Delivery Vehicle Fleet」
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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