バンク・オブ・アメリカ、2050年までに温室効果ガス排出ネット・ゼロ達成のための行動計画を発表

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大手金融機関のバンク・オブ・アメリカ(BofA)は、自社の金融活動、事業運営、サプライチェーンでの温室効果ガス(GHG)排出を2050年までにネット・ゼロにする目標を達成するためとして、2月15日に最初のステップについて概要を発表した。顧客がネット・ゼロへ移行する行動を促し、エネルギーや電力などの排出量の多いポートフォリオについては、科学に基づいた暫定排出目標の設定を計画する。併せて、環境持続可能性に対する全体的な取り組みの一環として、2030年までの事業運営およびサプライチェーン目標を公表した。

BofAは金融機関としてパリ協定を指示、ESG(環境、社会、ガバナンス)を重視する姿勢を打ち出している。ネット・ゼロ排出への移行の一環としては20年7月、金融機関炭素会計パートナーシップ(PCAF)にグローバル・コア・チーム会員として加盟。他の金融機関15社と協力して、金融活動に関連する排出の評価と開示の一貫した方法を提示する金融業界の世界的GHG会計および報告基準の策定に携わった。遅くとも2023年までの投融資に関連する排出量の開示を誓約している。

同社は事業運営におけるカーボン・ニュートラルを計画よりも1年早い2019年に達成し、CDPサプライチェーン調査を通じてGHG排出量を測定して公表するベンダーの数を増やした。CDPサプライチェーンは、環境情報開示プラットフォームを運営する非営利団体 CDPによる、サプライヤーに環境情報の開示を求める組織を構成したもので、20年度のメンバー数は前年度比24%増となっている。

さらに、2030年までに事業運営とサプライチェーンでの達成を目指す一連の新たな目標として、事業運営におけるカーボン・ニュートラルを維持する(スコープ1および2)▽100%ゼロ・カーボン電力を購入する▽ロケーション・ベースのGHG排出を75%削減する(スコープ1および2)▽エネルギー消費を55%削減する▽飲用に適した水の消費を55%削減する▽責任ある方法で施設を管理し、ビル面積の40%で、省エネと環境に配慮した建物・敷地利用を先導するシステムとして「LEED認証」かまたは同等を達成する▽埋め立てごみの量を削減できるよう責任ある方法で廃棄物を管理する▽建設および取り壊しによる廃棄物のうち75%の埋め立てを回避する▽電子ごみの100%を責任ある認定ベンダーを介して廃棄する▽世界のベンダーの70%(支出額に基づく)がGHG排出削減または再生エネルギー目標を設定するよう徹底する▽世界のベンダーの90%(支出額に基づく)について、同社のベンダー行動規範に規定されているESGリスクを評価する▽紙の使用の削減と、紙の認証供給源からの購入100%を継続する▽低炭素で持続可能な事業活動へ資本を投入――という項目を打ち出した。

「ネット・ゼロ目標を達成する上で、あらゆる経済分野を脱炭素化するために必要な低炭素技術・活動への投資を大々的に増やすことが不可欠。当社は2007年以来、環境ビジネス・イニシアチブの下で2000億ドル以上の資本を割り当て、2030年までに合計4450億ドルを投入すると誓約している。現在の金融活動に基づくと、この誓約は2030年よりも前に達成できると予測されている」と同社。今後は資源効率の良いビル建設、再生可能エネルギー、電動自動車や充電インフラなどの持続可能な輸送、資源効率の良い農業を含む低炭素ソリューションの導入に融資を行えるよう、顧客と緊密に協力していく方針。

「世界経済のネット・ゼロへの移行を加速するためには、直接的な事業運営だけでなく、事業のあらゆる側面を活用することが重要。たやすいことではないが、当社の取り組みがゼロ・カーボンのエネルギーや電力ソリューション、持続可能な輸送と農業、その他の分野の変革の拡大に拍車をかけ、また、気候変動に強く公平な機会が与えられる未来を生み出す助けになると信じている」と同社はメッセージしている。

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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